
逮捕の決め手は、DNA型と指紋だった。広島県廿日市市の民家で2004年、高校2年の北口聡美さん(当時17歳)が殺害された事件で13日、山口県宇部市の会社員、鹿嶋学容疑者(35)が逮捕された。発生から13年半。県警は延べ約30万人の捜査員を投入し、父親は亡き娘の名前を付けたブログを開設するなど情報提供を呼びかけてきた。関係者は真相究明に期待を込めた。【寺岡俊、小山美砂】
逮捕を受け、北口さんの父忠さん(60)は13日、捜査本部が置かれた廿日市署で記者会見した。黒のスーツ姿。この13年半を「いつ解決するのだろうと不安が大きかった。もやもやした気持ちが払拭(ふっしょく)された。一区切りついた」と振り返った。鹿嶋容疑者については「接点は全く思い当たらない」とし、「うそ偽りなく真実を述べてほしい」と訴えた。
事件当時、北口さんの自宅離れのドアノブなどから指紋が検出され、北口さんの爪からは皮膚片のDNA型も採取された。しかし、犯人の足取りはつかめず、長い時間が過ぎていった。
「逃げ得は絶対に許さない。何としても犯人を見つけ出したい」。忠さんは05年からブログ「SA・TO・MI~娘への想い~」を開設した。地元商業施設などでチラシを配るなど情報を募り続けた。
昨年7月4日の北口さんの「30歳」の誕生日に更新したブログには「『おめでとう』と言えば『もう、おめでたい年じゃないよ』と言うかもしれません」とある。結婚し、子供がいたかもしれないと思いを巡らせた。
忠さんは逮捕の日、ブログにこう心情を吐露した。「(娘へ)『事件が解決したよ』と私の胸の中で伝えましたが『守る事が出来ないで、ごめんなさい』という想いの方が大きい」「これからも、この想いは持ち続けるでしょうね」
県警は住田克俊刑事部長らが記者会見し、逮捕を発表した。住田部長は事件発生当時に捜査1課員として捜査に携わった。「やっと逮捕できたと思う半面、家族の心労を考えると、申し訳ない気持ちだ」と語った。
退職後もビラ配りに参加していた元県警幹部は「忠さん、捜査員、皆の思いがつながった」と感慨深げに語った。北口さんの爪に残されたDNA型が逮捕の決め手になったことについて「彼女の執念が実ったのかもしれない」とつぶやいた。
https://mainichi.jp/articles/20180414/k00/00m/040/125000c
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