おれおれ詐欺など特殊詐欺に加担する未成年者が後を絶たない。「遊ぶ金欲しさに軽い気持ちだった」と話す少年ら。背後には暴力団の影がちらつき、「嫌だったけど、暴力を振るわれるので逃げられなかった」と明かす。警視庁は証言をまとめた啓発DVDを作成し、加担防止に力を入れる。
詐取金を受け取る「受け子」役を繰り返して逮捕された少年(19)は、先輩から「稼げる仕事がある」と誘われたと話す。詐欺だと分かったが、身分証を取られ、逃げようとすると暴行された。暴力団も絡んでおり、「逃げると友達も暴行されるし、お金が稼げるなら」と自分を納得させた。
最初は被害者に申し訳ないと感じていた。しかし、1回で200万円ほどの報酬を手にすることもあり、次第に「だまされるほうが悪いと思うようになった」。
受け子役で10件以上の詐欺に関与。昨春、指示役に命じられて訪ねた高齢者の自宅近くで、待ち構えていた警察官に詐欺未遂容疑で逮捕され、少年院に送られた。面会に来た両親が泣くのを見て、「変わらなければ」と思った。「(詐取金を)働いて被害者に返したい」と話す。
警視庁によると、昨年都内で起きた特殊詐欺の被害額は約80億円に上る。検挙人数は593人で、そのうち約20%に当たる117人が未成年だった。過去5年間、未成年者の割合は約15~20%で推移している。
現状を変えようと、警視庁で今年1月、副総監をトップに「特殊詐欺対策プロジェクト」が発足。詐欺に関与した少年らの反省の声をまとめたDVDを作成し、啓発活動に役立てるため、4月に東京都内の高校で上映した。5月中には各警察署に配布し、他の学校でも活用してもらう方針だ。
同庁幹部は「暴力団などは、社会経験が少なく、甘い言葉に引っ掛かりやすい子供を狙う。暴力で逃げられないようにすることも多く、決して誘いに乗らないで」と忠告する。(2018/04/30-14:39)
2018年4月30日月曜日
特殊詐欺「軽い気持ちで」=暴力団の影、逃げられず-少年ら証言集めDVD・警視庁
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