従業員のいる飲食店を全面禁煙とする東京都の受動喫煙防止条例案について、飲食店やたばこ店などの業界4団体が「中小零細事業者を切り捨てる一律過度な規制だ」と反発し24日、小池百合子知事に見直しを要望した。国が成立を目指す健康増進法改正案よりも厳しく、都内の飲食店の84%が対象となるだけに、都議会でも慎重論が広がっている。
「全面禁煙にすれば客が減り、廃業に追い込まれるところも出る」。飲食店やスナック・バーなどでつくる都生活衛生同業組合連合会の宇都野知之さん(63)は、知事に要望書を提出した後の記者会見で、都が20日に発表した条例の骨子案に反対する理由を力説した。要望には、愛煙家の利用が多いマージャン店の組合も加わり、都民や事業者の意見に配慮するよう求める18万1982人分の署名も提出した。
骨子案は従業員のいる飲食店は原則禁煙とし、店内に設けた専用室内でのみ喫煙を認める。従業員のいない店は経営者が禁煙・喫煙を選べる。客席面積100平方メートル以下の店は「喫煙可」とする健康増進法改正案の規制範囲を大幅に上回る内容だ。
改正案を巡っては、飲食・たばこ業界の支援を受ける自民党議員らの反発を受けて国が規制を緩め、全面禁煙の対象から外れる飲食店が全体の55%(厚生労働省推計)まで増えた経緯がある。4団体は改正案に「おおむね賛同できる」と主張する。
都は6月都議会に条例案を提出して成立を目指す方針だが、小池知事が事実上率いる都民ファーストの会は単独過半数を占めていない。自民だけでなく、共産党議員らからも「従業員の雇用を守れるのか」と懸念の声が上がっており、修正を迫られそうだ。【市川明代、芳賀竜也】
https://mainichi.jp/articles/20180425/k00/00m/040/158000c
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