2018年4月27日金曜日

朝鮮学校除外「合理的」 無償化巡り元生徒敗訴、名古屋地裁

 国が朝鮮学校を高校無償化制度の適用対象から外したは違法だとして、愛知朝鮮中高級学校(愛知県豊明市)の元生徒10人が、国に1人あたり55万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、名古屋地裁であった。福田千恵子裁判長(鈴木尚久裁判長代読)は「国の判断は合理的だ」として元生徒らの請求を棄却した。

 全国5件の同種訴訟のうち、4件目の判決。原告側が敗訴したのは広島、東京の地裁判決に続いて3件目となった。2017年7月の大阪地裁判決は、国の判断を違法として原告側が勝訴した。先行する訴訟はいずれも控訴審で争われている。

 福田裁判長は判決理由で、北朝鮮の最高指導者を絶対視する教育内容が「生徒に偏った観念を植えつける疑いがあった」と指摘。在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の不当な支配が疑われる朝鮮学校に対し、公費で就学を支援できないとした国の判断は合理的だと結論づけた。

 判決後に会見した元生徒側の弁護団は「国の主張を無批判に追認した不当な内容だ」と判決を批判した。

 高校無償化の制度は民主党政権下の10年4月に導入された。愛知朝鮮学校も同年11月に申請したが適用に至らず、自民党政権下の13年2月、制度の対象外になった。

 今回の訴訟で、元生徒らは「憲法で保障された平等権などを侵害している」と主張。国は朝鮮総連と密接な関係にあるとして、「無償化の支援金が授業料に充てられない懸念がある」と反論していた。

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29937810X20C18A4CN8000/

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