2018年4月22日日曜日

「破棄」調査メモ、「学校内に存在」発表

 神戸市垂水区で2016年10月、市立中3年の女子生徒(当時14歳)が自殺した問題で、神戸市教委は22日、第三者委員会の調査報告書で「破棄した」とされていた自殺直後の同級生らへの聞き取りメモが、学校内に存在していたと発表した。遺族は、いじめの有無などを尋ねた聞き取りメモの存在を以前から指摘していたが、市は対応していなかった。市教委は経緯を調査し、5月中旬に結果を発表する予定。

 市教委によると、所在が確認されたのは、自殺5日後の同年10月11日、教員3人が女子生徒と親しかった同級生ら生徒6人に行った聞き取り結果を記載したメモで計2枚。他に教頭が当時作成した日報も見つかった。

 昨年8月に第三者委がまとめた報告書にメモは「破棄した」と記載された。その後、女子生徒が通っていた中学校の教師が報告書の内容を知り、「メモは存在する」と校長に申告した。しかし、校長から報告を受けた市教委は「聞き取り結果は口頭で第三者委員会に伝え、報告書にも反映されている」と判断し、市教委は現物を取り寄せ、報告書の修正などの措置をとらなかった。

 今年3月、第三者委は「破棄した」と記載したままの報告書を久元喜造市長に提出。校長が改めてメモの存在を市教委に伝えて初めて問題が表面化し、今月22日に遺族に謝罪した。

 一方、報告書を作成する過程で、自殺当時の校長が市教委に「メモは見つかっていない」と申告していたことも判明した。なぜ実際と異なる申告をしたのか市教委は経緯を調べる。

 記者会見した市教委の後藤徹也・教育次長は「怠慢と言われても仕方ない」と陳謝した。

 一方、女子生徒の母親は代理人弁護士を通じてコメントを発表した。母親は「遺族の気持ちを踏みにじるもので怒りを禁じ得ない。まだ隠されている資料があるのではないか。報告書そのものが信用できなくなっている」と指摘した。

 報告書では、いじめを認定したが、自殺の原因は「特定できない」と結論付けた。女子生徒の遺族は報告書の内容が不十分だとし、再調査の実施を求めている。【目野創】

Let's block ads! (Why?)

https://mainichi.jp/articles/20180423/k00/00m/040/071000c

0 件のコメント:

コメントを投稿