防衛省が国会で「不存在」と説明していた自衛隊イラク派遣時の日報が見つかった問題で、昨年2月22日に当時の稲田朋美防衛相から日報の再探索指示を受けた統合幕僚監部の担当者が、関係部署に明確に伝えず、伝達先も三つの部署に限られていた。同省が7日公開した担当者のメールから判明した。稲田氏の「指示」も口頭で「本当にないのか」と尋ねただけのあいまいな内容だった。稲田氏は再探索指示の2日前に国会で日報が「残っていないことを確認した」と答弁していたが、裏付けが不十分な実態が改めて浮かび上がった。稲田氏の対応が適切だったかどうかも問われそうだ。
防衛省によると、稲田氏は昨年2月22日、国会答弁の打ち合わせの際、統幕事務方トップの辰己昌良総括官(現在は同省審議官)に「イラクの日報は本当にないのか」と口頭で尋ねた。イラク派遣時の日報については、同月16日に野党議員から資料請求があった際に、統幕と陸上幕僚監部、航空幕僚監部の三つの部署の運用担当課に確認して「不存在」としていたが、辰己氏は「再探索の指示を受けたと認識した」という。
辰己氏からの指示で統幕参事官室の担当者は同22日、改めて前回確認した各課にメールしたが、内容は稲田氏の発言に触れた上で「探索いただき無いことを確認いただいた組織・部署名を本メールに返信」するよう記すだけで、全部隊での探索を求めるような指示は明示されていなかった。各課からは当日中に、16日に調査をした部署名だけを記した返信があった。
このうち、陸幕だけは3月10日、新たに海外派遣部隊の指揮をする中央即応集団司令部(今年3月に廃止され、陸上総隊の一部に)と研究本部(現在の教育訓練研究本部)教訓課に調査をさせ、改めて「存在しない」と回答。教訓課ではその後の同27日にイラクの日報が発見されたが、今年1月に陸幕に報告するまで伏せられていた。稲田氏が再探索の結果を確認したかは、記録にない。統幕の担当者は防衛省の調査にメールの内容について「再調査を求める意味と、調査した部署名を教えてという二つの意味だった」と説明しているという。統幕幹部は「誤解を生む書き方だった」と陳謝した。【前谷宏、秋山信一】
https://mainichi.jp/articles/20180408/ddm/001/010/149000c
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