今治市大西町の松山刑務所大井造船作業場から平尾龍磨(たつま)受刑者(27)が逃走した事件が発生してから11日で3日が経過した。愛媛・広島両県警は逃走に使ったとみられる盗難車や靴が見つかった広島県尾道市の向島を連日捜索しているが午後7時現在、身柄確保できていない。同刑務所の吉田博志所長は11日の記者会見で「近隣住民らに多大な心配と迷惑を掛けた」と謝罪するとともに、警備体制の見直しを検討する考えを示した。【中川祐一】
◆逃走前
松山刑務所によると、逃走容疑で指名手配された平尾容疑者は窃盗の罪などで服役中で、昨年12月に作業場に入所。刑務官や臨床心理士らが3月までに計8回、心情を把握するために面接したが「頑張って仮出所したい」と意欲を見せ、特に変わった様子はなかったという。
ただ、最近は3月に一般社員の作業着を着たり、4月には出所した受刑者の座布団を所持したりと規則違反が続いた。刑務官に叱責され、落ち込んでいる様子だったが、叱責について吉田所長は「一般から見ればきついかもしれないが、刑務所の中では一般的な範囲」と説明、逃走との関連は「不明」とした。
◆塀のない刑務所
作業場は民間の造船所の敷地内に1961年に開設。塀や鉄格子がない寮舎で生活しながら、一般社員とともに作業するなど職業訓練と更生を目指す。全国的にも珍しい開放的な施設で「塀のない刑務所」として知られる。全国から模範的な受刑者を選ぶ。凶悪犯や覚醒剤常習者など以外の初犯で、出所後の身元引受人がいることなどが条件だ。「開放的な施設は再犯防止につながる」とされ、地域住民との信頼関係を築きながら半世紀以上、先進的な取り組みを続けてきた。
◆常時監視はせず
一方、これまで20人が逃走などで一時所在不明になっている。2016年に受刑者が一時不明になったため、初めて監視カメラを設置。ただ常時監視はせず、「あくまで逃走の抑止としての設置」(吉田所長)という。今回も午後6時ごろ、寮舎の外を走る姿が映っていたが、逃走に気付いて通報したのは午後7時過ぎだった。
「反省する課題は多い」。吉田所長はこう話し、面接の回数や監視カメラを増やすなど警備体制の見直しを検討する考えを示したが、具体的には決まっておらず、今後法務省が9日に設置した検討委員会と協議する。
https://mainichi.jp/articles/20180412/ddl/k38/040/486000c
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