岐阜市の病院でエアコンが故障し、冷房が利かない病室に入院していた80代の患者4人が相次いで亡くなった。冷房が故障した20日以降、市内では日中は真夏日、夜間は熱帯夜が連日続いていた。熱中症で死亡した可能性があるとみて、県警は業務上過失致死の疑いで捜査を始めたが、病院の暑さ対策や管理態勢は十分だったのか――。
「病院として、何か問題があったとは考えていません」。28日午後、4人が死亡した「Y&M 藤掛第一病院」の藤掛陽生院長と男性職員の2人が病院前で報道陣の取材に応じ、病院の責任を明確に否定した。
県警や病院によると、病院は5階建て。死亡した4人が入院していた3、4階では20日にエアコンが故障したが、4人は移動させなかったという。
報道陣からは「転院という手段があったのでは」との質問も出たが、藤掛院長は「そこらへんはね……」と言葉を濁し、「患者の中には暑い部屋がいいと言う人もいる」と話した。死亡した4人の中にはエアコンが壊れた段階で、すでに意識のない人もいたといい、「病状が重い人だった」などとして、エアコンの故障と熱中症の疑いとの因果関係は否定した。
報道陣からは4人が3、4階のどの病室にいたのか質問が飛んだが、職員が「捜査に協力しているので、詳しいコメントはできない」と話した。藤掛院長は「ごめんなさい」と言って報道陣に一礼し、病院内へ。取材は10分ほどで打ち切られた。
病院には患者の家族らが心配して次々と訪れた。
岐阜市の松久巳年男(みねお)さん(65)は、妹が冷房が利いていない3階の部屋に元々入院していた。27日に3階を訪れると妹がおらず、2階に移されたと知った。「上の階にいくほど、暑くてむっとした感じはあった。動いたら汗をかく感じだった」。2階の部屋にはエアコンがあり、6人ほどの患者がいたという。
姉(83)が個室に入院している男性(78)によると、この個室は冷房付きのため、冷房が利いていない上階の患者らが出入りしていたようだという。姉は人の出入りを嫌って冷房のない4階の部屋にあえて移ったといい、男性は「ニュースを見てびっくり。姉はなんとも言ってなくて良かった」と話した。
岐阜市は28日午後、病院が施…
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