高い殺傷能力を持つ高性能爆薬「過酸化アセトン(TATP)」を製造したなどとして、爆発物取締罰則違反などの容疑で逮捕された名古屋市緑区の大学1年の男子学生(19)の自宅から、愛知県警が3Dプリンターと拳銃の形をしたプラスチックの塊を押収していたことが25日、捜査関係者への取材で分かった。県警は3Dプリンターを使って拳銃を製造しようとしたとみて調べている。
捜査関係者によると、銃のような外観だったが、弾丸を発射するための部品がなく、発射能力はないとみられるという。県警が8月20日に男子学生を逮捕し、自宅を家宅捜索した際、爆薬の材料となる薬品類とともに3Dプリンターとプラスチックの塊が見つかった。県警は、押収物を分析し、設計図の入手経路など詳しい経緯を調べる。
男子学生は、いずれも高性能爆薬のTATPと四硝酸エリスリトール(ETN)を製造、所持したとして逮捕された。捜査関係者によると、複数回にわたり爆薬の爆発実験を繰り返していたといい、「威力を確かめたかった」などと供述しているという。
3Dプリンターによる拳銃製造をめぐっては、2014年5月に元大学職員の男が銃刀法違反容疑で神奈川県警に逮捕された。米国では、テキサス州の非営利組織(NPO)が今年8月からインターネット上で製造方法の公開を発表し、ワシントン州シアトルの連邦地裁は7月31日に公開を一時差し止める仮処分を命じた。【井口慎太郎】
【ことば】3Dプリンター
三次元で表した立体物をプラスチックや金属粉でできた層を積み重ねて作り上げる機械。1990年代に米企業が製品化し、近年は家庭用モデルが1台数万円で販売されている。複雑な形状の物を簡単に製作できるため、製造業や医療分野など幅広い分野で活用が広がっている。
https://mainichi.jp/articles/20180826/k00/00m/040/079000c
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