2018年1月30日火曜日

本白根山噴火1週間 「噴火止まった」断言できず 草津町、カメラ3台で監視強化

 12人が死傷した草津白根山の本白根山(草津町)の噴火は、30日で発生から1週間を迎える。東京工業大草津白根火山観測所の野上健治教授は、噴火が起きた23日以降は「顕著な活動はない」としているが、「噴火が止まったと断言するのは難しい」との見解も示し、再噴火の可能性は否定できない状況だ。草津町や同観測所などは、ライブカメラや地震計の増設を進め、本白根山の監視態勢の強化を急ぐ。 

 草津町の黒岩信忠町長は29日、草津国際スキー場山頂駅のライブカメラの台数を増やすと発表した。現在稼働中のカメラ1台に加え、フルハイビジョンの約4倍の解像度を持つ4Kカメラと暗視カメラを1台ずつ導入。気象庁の専門家と町が、昼夜関係なく本白根山の動向を監視する。

 稼働中のライブカメラの映像はこれまで、リアルタイムで動画投稿サイト「ユーチューブ」に配信されていたが、通信環境が安定せず配信が停止することがあったという。

 こうしたトラブルを解消するため、光回線を活用し、スムーズな映像公開を図る。

 国土交通省が同日から光ファイバーを用意し、設置の準備を進めている。

 一方、野上教授は同日、本白根山の噴火を受けて新たに設置を予定する地震計3台のうち、2台の設置を終えたと報告した。いずれも東工大などの大学の合同観測班によって本白根山の南側に設置された。

 3台の地震計を新設することで「感度がグンと上がり、震源の分布がきわめて正確にわかるようになる」(野上教授)という。

 ◆渋川市長、草津のスキー自粛せず

 草津白根山の本白根山の噴火について、渋川市の高木勉市長は29日の定例記者会見で「(市民の)草津でのスキーなどを自粛するつもりはない」と説明。伊香保温泉などで旅館宿泊のキャンセルが相次ぐような事態も「全くない」と強調し、「情報をしっかり集め慎重に対応したい」と述べた。噴火が起きた23日、渋川市は吾妻広域消防本部から要請を受け、緊急援助隊の2隊6人を草津町に派遣。山頂に取り残されたスキー客約80人の救助活動に加わったという。

 渋川市には榛名山と赤城山の2つの火山がある。榛名山は約1500年前に噴火し、甲(よろい)を着た成人男性が火砕流に巻き込まれて死亡したことなどが金井東裏遺跡の発掘調査で明らかにされている。現在は、榛名山と赤城山はともに噴火警戒レベルが運用されない火山で、観測機器などは設置されていない。

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http://www.sankei.com/region/news/180130/rgn1801300065-n1.html

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