2018年1月27日土曜日

草津白根山噴火 温泉街「現状被害なし」…風評払拭へ県一丸、国にも要望

 草津白根山の本白根山(草津町)の噴火で懸念されている草津温泉街の風評被害の拡大に手を打とうと、県は26日、職員を同町に派遣し、旅館組合や観光協会などに現状把握の聞き取りを行った。県は今後、「正確な情報発信に努める」としており、同日には国にも要望書を提出。草津温泉への“応援”体制が広がってきている。 

 この日は、県観光物産課や県観光物産国際協会の職員が現地入り。町役場や草津温泉観光協会、草津温泉旅館協同組合などで状況把握のための聞き取りをした。旅館協同組合によると、宿泊のキャンセルが相次いでおり、事務局長の星野敏雄さんは「スキー関係やペンション利用者のキャンセルが多い」と説明。団体客のキャンセルが比較的多いという。

 旅館経営者からは「町の人は普段通りに生活している。きちんとした情報を発信したい」「来てくれたお客さんにインターネットなどで発信してもらえば連鎖して良い方向に行くかも」などの声が上がった。

 旅館や観光協会は、町からの「サイエンスの観点から対応している」(黒岩信忠町長)との情報を根拠に「温泉街は現時点で影響はない」とアピールしているが、旅館関係者は「家族が心配してのキャンセルもある」と話す。ただ、「こんなときだからこそ行こう」という声も観光客から聞かれるという。

 県は「正確な情報を国内外に発信したい」とし、26日には、高崎高島屋で開催中の物産展「群馬展」に、「現状被害はない」との張り紙とともに草津温泉や万座温泉をPRするコーナーを新たに設置した。今後、観光関係のホームページでも発信していく予定で、県観光物産課の吉田功幸課長は「できることをやっていきたい」と力を込めた。

 また、同日には、大沢正明知事が国に、火山の監視体制強化のほか、風評被害防止の観点から(1)正確な情報発信(2)需要回復の事業実施(3)国内外の旅行会社の招聘-などを要望。県を挙げて「温泉の横綱」の風評被害払拭に取り組む考えだ。

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http://www.sankei.com/region/news/180127/rgn1801270012-n1.html

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