松本文明内閣府副大臣は26日、首相官邸で安倍晋三首相に辞表を提出した。25日の衆院本会議で沖縄県での米軍機の不時着などをただした共産党の志位和夫委員長に「それで何人死んだんだ」と不適切なやじを飛ばした責任をとる。野党は批判を強める構えで、2月4日に控える名護市長選への影響は必至だ。
松本氏は首相に「誤解を招きかねない発言で、大変ご迷惑をかけた」と謝罪した。首相は「特にこの国が大変な時期なので、緊張感を持って対応してもらわないと困る」と辞表を受理した。
松本氏の発言は、政府が米軍機の不時着などを容認していると受け取られかねない内容だ。松本氏は首相と面会後、記者団に「沖縄県民や米軍関係者が訓練や事件で多くの人命が失われている。多くの犠牲者に報いるためにという思いで言った」と釈明した。国会議員の辞職は否定した。
沖縄県では米軍のヘリコプターのトラブルが相次いでおり、小野寺五典防衛相が米側に同型機の飛行停止を要請したばかり。松本氏は沖縄や北方領土問題を担当する内閣府副大臣を務めたこともあり、来週から本格化する予算委の審議で野党から批判を浴びるのは必至だ。
希望の党の玉木雄一郎代表は26日「『沖縄の方々の気持ちに寄り添う』との安倍政権の言葉が、いかに表面的で薄っぺらいものかを象徴した暴言で許しがたい」とのコメントを出した。立憲民主党の辻元清美国会対策委員長は「上から目線の人ごとという姿勢の表れだ」と述べ、首相の任命責任を問う考えを示した。
自民党の選挙対策委員会幹部は「名護市長選への影響は避けられない」と語った。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26197830W8A120C1EA4000/
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