<蔵王山>仙台管区気象台 噴火警戒レベル2に引き上げ、警報発表
仙台管区気象台は30日、宮城、山形両県にまたがる蔵王山(蔵王連峰)で、小規模な水蒸気噴火が発生する可能性があるとして、噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引き上げるとともに、噴火警報(火口周辺)を発表した。
警戒対象の自治体は宮城県蔵王町、七ケ宿町、川崎町、山形市、上山市。想定火口域(馬の背カルデラ)からおおむね1.2キロの範囲で、噴火に伴い弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒するよう呼び掛けた。
管区気象台によると、30日午後2時18分から12分50秒間、火山性微動を観測した。振幅は28日と30日未明の微動より大きく、2010年9月の観測開始以来、最大規模を記録した。火山性地震は28日から30日午後4時までに4回観測した。
28日以降、お釜の南西側にある坊平観測点に設置した傾斜計で、カルデラの南方向が隆起する地殻変動が継続している。悪天候のため、カルデラの状況を監視カメラで確認できないが、空振計に異常はなく、噴火が発生している可能性は低いとみられる。お釜の白濁などの報告はないという。
記者会見した管区気象台の長谷川嘉彦火山防災情報調整官は「微動の規模が大きく、地殻変動も続いており、警報発表のレベルと判断した」と説明。「住民や雪山登山客は火口周辺に近づかないでほしい。風下側では火山灰や小さな噴石が風に流され、遠方まで降る恐れがある」と強調した。
噴火に伴う火砕流などの熱で斜面の雪が溶けて起こる「融雪型火山泥流」の可能性は、「警戒レベル2の噴火では想定していない」と述べた。草津白根山の本白根山(群馬県草津町)噴火との関連も否定した。
蔵王山の噴火警報発表は15年4〜6月以来で、噴火警戒レベルの引き上げは16年7月の導入後、初めて。
<火山活動が活発化/三浦哲東北大地震・噴火予知研究観測センター教授(地球物理学)の話>
火山性微動が28日と30日にあり、火山活動が活発化していると判断された。今後の見通しは分からないが、草津白根山との関係はないと思われる。住民は防災機関や自治体の情報に注意しながら行動してほしい。
2018年01月31日水曜日
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201801/20180131_13006.html
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