米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画の是非が問われる名護市長選が28日告示され、現職で3選を目指す稲嶺進氏(72)=共産、自由、社民、民進、地域政党・沖縄社会大衆推薦、立憲民主支持=と、新人で元市議の渡具知(とぐち)武豊氏(56)=自民、公明、維新推薦=の無所属2人が立候補した。移設に反対する翁長雄志(おなが・たけし)知事が稲嶺氏を、移設を推進する安倍政権が渡具知氏を支援する構図。2月4日に投開票され、結果は移設計画の行方や今秋予定の知事選に大きな影響を与える。
1996年に日米両政府が普天間飛行場の返還に合意後、6回目の市長選。過去3回は移設容認派、前々回と前回は反対派が勝利した。政府は昨年4月、移設に向け辺野古沿岸部を埋め立てるための護岸工事に着手。工事開始後初めて移設の是非を巡って地元の民意が問われる。
立候補届け出後、稲嶺氏は「辺野古の新基地建設は沖縄全体の経済に悪影響を及ぼし、百害あって一利なしだ。未来の子供たちのためにも進めさせてはいけない」と改めて決意表明。全面支援する翁長知事も「沖縄の命運を決する選挙だ。スクラムを組んで新基地は造らせない」と強調した。
翁長知事を支える「オール沖縄」勢力の支援を受ける稲嶺氏は、政府から米軍再編交付金が打ち切られても、市政を充実させてきたとして2期8年の実績もアピールしている。
渡具知氏は「現市政は一つの問題にこだわりすぎて、市民生活を置き去りにしてきた」と指摘。市内経済が停滞しているとして経済振興や子育て支援の拡充を訴えた。市議時代は移設を容認していたが「裁判の経緯を注視していく」として、移設問題の争点化を避ける戦術を取っている。
告示前から政権や与党の幹部が次々と応援に入っている。県本部が移設反対のため前回は自主投票だった公明も今回は推薦した。
沖縄では米軍機の事故やトラブルが頻発し、告示直前の26日には、米軍機トラブルを巡る国会での不適切なヤジの責任を取って松本文明副内閣相が辞任した。こうした事態が名護市長選に影響する可能性もある。27日現在の有権者数は4万9372人。【佐藤敬一】
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20180129/k00/00m/010/034000c
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