観光復旧へ2000万円 本白根噴火で草津町
[2018/01/29]
湯畑を散策するモデルプラン作成の関係者ら
草津白根山の本白根山(群馬県草津町)の噴火の影響で、草津温泉で宿泊のキャンセルが相次いでいることを受け、草津町は28日、客足の回復に向けた予算として2000万円を町内の観光・商工関係団体に拠出することを決めた。関係団体が29日の会議で誘客策を協議、都市部に向けたアピールなどを検討する。外国人観光客向けに、多言語による安全呼び掛けにも力を入れる。
◎外国人誘客に力 基金創設も視野
黒岩信忠町長は「町の命綱である観光を一日も早く立ち直らせたい」と説明した。使途を限定せず、有効性の高い誘客策を練ってもらうのが予算の狙いとしている。
草津温泉観光協会によると、会議には観光協会、草津温泉旅館協同組合、町商工会が参加する。町が確保した予算に両協会の暫定予算を追加し、緊急的な基金を創設することも視野に入れる。具体的な誘客策として、旅行社と連携した都市部へのキャンペーン、会員制交流サイト(SNS)の活用などを想定する。
観光協会の中沢敬会長(68)は「火山活動に注意しながら温泉街の安全を訴え、早く元の草津に戻したい」、旅館協同組合の黒岩裕喜男理事長(54)は「会議を重ねて具体的なプランを早急に決めたい」と話した。
中国の春節(旧正月)を来月に控え、例年ならば外国人の誘客にも一段と力が入る時期。旅館協同組合は多言語で安全を呼び掛けることも検討している。
一方、外国人の需要が高いとされる素泊まり旅館で影響が出ている。湯畑近くの「佳乃や」は噴火から2日間で100人の宿泊キャンセルがあり、その3割が中国、台湾、香港などの客だった。経営する田村佳之さん(47)は「ホームページ(HP)やSNSで正しい情報提供を心掛けたい」と話した。
カンボジアから初めて温泉街を訪れたワー・ウィラさん(34)は噴火のニュースを知っていたが、温泉街は火口から離れていると聞き予定を変えなかった。「不安はあるが、できる範囲で草津を楽しみたい」と話した。
外国人旅行者向けの観光モデルコースを作ろうと、県観光物産国際協会が招いた在日外国人が28日、同町を訪れた。ニュージーランド出身のツーリズム・コンサルタント、ポール・ハガートさんは「噴火は自然なこと。群馬にはたくさんの魅力があり、これからも多くの人に訪れてもらいたい」と冷静に受け止めた。
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