国連教育科学文化機関(ユネスコ)が慰安婦関連資料「日本軍『慰安婦』の声」の「世界の記憶」登録を見送ったことは、日本による官民挙げた登録阻止の取り組みが一定の成果を挙げたといえる。(田北真樹子)
安倍晋三首相は、2年前に中国が申請した「南京大虐殺文書」の登録を許した直後、「2度目の失敗は許されない」と大号令を発していた。
そもそも「世界の記憶」は史実を認定する事業ではない。登録の是非を審査する登録小委員会と国際諮問委員会で中心となるのは、アーキビスト(公文書管理の専門家)だった。
政治性の薄いアーキビストに政治圧力をかけると反発を受けかねず、日本側は学術的に歴史認識の間違いを指摘するのではなく、事業の欠陥を突くことで「登録阻止」を優先させた。
欠陥とは、ユネスコ憲章が「戦争は人の心の中から生まれるので、人の心の中に平和の砦(とりで)を築かなければならない」と定めながら、世界の記憶が平和どころか対立を生む事業に変質させた審査方法にある。専門家だけの審査は“ブラックボックス”で、政治利用される土壌をつくっていた。
実際、登録審査を担当するアーキビストには、韓国の反日団体「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会(挺対協)」などと深い関係を持つオーストラリア人もいた。この人物は制度改革を協議する専門家会合にも入っていたが、日本側が中立性を問題視したことで外れている。
http://www.sankei.com/politics/news/171101/plt1711010010-n1.html
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