人気ラーメン店「一蘭」を家宅捜索、稼ぎたい外国人と人手不足の店の事情
更新:11/29 19:42
福岡生まれの人気ラーメン店「一蘭」に、不法就労の疑いで警察が家宅捜索に入りました。外食産業で不法就労の摘発が相次いでいて、少しでも日本で金を稼ぎたい外国人の思いに加え、労働者不足に悩む店側の現状も浮き彫りになっています。
「時刻は午前9時半です。大阪府警の捜査員がラーメン店一蘭に家宅捜索に入ります」(阿部雄気記者リポート)
大阪・道頓堀にある一蘭の店。大阪府警の捜査員が家宅捜索に入っていきます。そんな中、さすがは人気店。朝からラーメンを食べに来ていた客も続々と出てきました。同じ頃、発祥の地福岡市博多区の本社でも…
「福岡市内の一蘭本社に捜査員が家宅捜索に入ります」(海老桂介記者リポート)
捜索容疑の1つは入管難民法違反。従業員でベトナム国籍のルー・グェン・タム・タオ容疑者(29)が、今年4月から11月にかけて日本で働く資格がないのに「一蘭道頓堀店別館」に勤めていたとして、28日逮捕されたのです。ルー・グェン容疑者は、大阪市内の専門学校に留学するため来日し、週28時間を上限にアルバイトが認められていましたが、出席日数が足りなかったなどの理由で、今年3月に学校を除籍処分になり、日本で働く資格を失っていたということです。
1960年に福岡で産声を上げ、あっさりとした豚骨スープが人気の「一蘭」。店舗は増え続け、いまや海外を含め73店舗に。「24時間営業」の店舗も多く、その分多くの従業員を必要としています。店側は外国人労働者を雇う際、法律で名簿を国に届け出なければなりません。しかし…
「この店では逮捕された女についての名簿の届け出を国にしていなかったということです」(阿部雄気記者リポート)
外食産業の不法就労の摘発は増えています。同じく外国人に人気の「串かつだるま」では留学生を違法に長時間働かせたとして今年7月、運営会社などが罰金刑を受けました。背景は慢性的な人手不足です。
「今はなかなか飲食店の仕事に学生さんがいかないのかな。飲食店は人手不足から外国人は来てください、ウェルカム状態」(外国人就労に詳しい岡本健・行政書士)
雇われる外国人側にも日本で働く事情があります。
「ベトナムの平均月収、2、3万円。いい人で5万円ほど」「日本って夢のような国ですよね、アジアの人にとっては」(外国人就労に詳しい 岡本健行政書士)
少しでも日本で金を稼ぎたい外国人と店側の人手不足が相まってなくならないこの問題。摘発の必要性の一方で、根本的な解決策はあるのでしょうか。
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