2017年11月29日水曜日

財務省、新たな録音認める 「口裏合わせ」否定

衆院予算委員会で学校法人「森友学園」への国有地売却問題に関する質問に答える財務省の太田充理財局長(左)。右端は安倍晋三首相=国会内で2017年11月27日午前11時27分、川田雅浩撮影

 財務省は28日の衆院予算委員会で、学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、8億円値引きの根拠とされた地下3メートル以下のごみについて、同省と学園が昨春に「(ごみがあるという)ストーリーはイメージしている」などと相談している新たな音声データの存在を認めた。値引きを前提にした口裏合わせと受け取られかねず、安倍政権が主張する「適切な売却」に一層疑問が生じた形だ。

 9月に関西テレビが報じた音声データに基づき、共産党の宮本岳志氏が質問した。音声では、工事業者とみられる人物が「(ごみが)3メートルより下から出てきたか分からない」と話したのに対し、政府職員とみられる人物が「言い方としては『混在と、9メートルの範囲で』」と提案。学園側も「言葉遊びかもしれないが、9メートルまでごみが入っている可能性は否定できないでしょ」と応じ、政府職員が「そんなところで作りたい」と結論づけている。

 財務省の太田充理財局長は予算委で、音声は昨年3月下旬から4月に近畿財務局が学園と協議した内容だと認め、国土交通省大阪航空局の職員も同席していたとした。学園は同3月11日に新たな地下埋設物が出たと近畿財務局に連絡し、同24日に撤去費用を差し引いた額での購入を希望していた。ただ、太田局長は「撤去費用を見積もるために資料の提出を(学園に)お願いしたが、口裏合わせはしていない」と否定した。

 一方、太田局長は財務省が行った過去4年間の公共随意契約972件のうち、売却額を非公表にしたのは森友学園の1件だけだったと明らかにした。会計検査院の河戸光彦院長は、地下のごみの対象面積や深度、土壌への混入率のいずれも「算定の根拠が確認できていない」と指摘した。

 検査院の指摘に対し、安倍晋三首相は「(過去の答弁との)整合性は各省で検証したい」と述べた。学園の名誉校長だった妻昭恵氏の国会招致については慎重な姿勢を示す一方、「国会が決めれば従う」とした。野党は昭恵氏や佐川宣寿前理財局長(現国税庁長官)の招致に加え、森友問題などの集中審議を開催するよう求めたが、与党は拒否する構えだ。【水脇友輔】

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https://mainichi.jp/articles/20171129/k00/00m/010/133000c

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