2017年11月25日土曜日

<木造船漂着>「イカ釣り漁で故障」北朝鮮?8人保護 秋田

 23日午後11時25分ごろ、秋田県由利本荘市石脇の船舶係留施設「本荘マリーナ」付近に不審者がいると住民から110番通報があった。県警由利本荘署員が、マリーナ近くの防波堤に漂着している木造船を発見し、国籍不明の男性8人を保護した。8人は「北朝鮮から来た。イカ釣り漁をしていて船が故障し、漂着した」と話しているという。

 県警などによると、8人とも疲労はあるが、命に別条はなく自力で歩ける状態で、朝鮮語を話しているという。県警は亡命や脱北の可能性は低いと判断しており、仙台入国管理局とともに、漂着した経緯や帰国の意思などを慎重に聴いている。

 8人は漁師で、防寒用と思われる厚手の服装をしていた。木造船は全長20メートルほどで、魚を集めるための電球のようなものが複数ついており、船内からは漁に使う道具が見つかった。船体にはハングルで北朝鮮北部の港湾都市とみられる「チョンジン」と書かれているという。

 漂着現場は由利本荘市役所から西へ約3.5キロ離れた港湾地区。秋田地方気象台によると、周辺沿岸部の海上では風が強く、22日以降、同県沿岸地域に波浪注意報が出されている。

 法務省によると、実際に遭難して漂着した場合は、人命への配慮から一時的な上陸を許可する「遭難上陸」の手続きを取り、中国などを経由して帰国させることになる可能性が高いという。2015年1月に石川県の海岸に漂着した北朝鮮の男性については、遭難上陸の手続きが取られた。

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