川崎市宮前区の高架下トンネルで二〇〇六年九月、黒沼由理さん=当時(27)=が殺害された事件は十日、別の通り魔事件で有罪判決が確定して服役中の鈴木洋一容疑者(37)が殺人容疑で逮捕され、発生から十一年を経て急展開を迎えた。県警は早い段階から鈴木容疑者の関与を疑っていたが、決め手がなく捜査は難航していた。
「難しい事件だった」。十日午後の会見で、県警捜査一課の則次誠二郎課長は険しい表情を浮かべた。鈴木容疑者の犯行と断定した理由を「総合的な判断」と繰り返し、「遺族のため真相を解明していきたい」と述べるにとどめた。
捜査関係者によると、犯行時間帯に現場近くの防犯カメラに、鈴木容疑者のものらしき車が写っていた。ただ、鈴木容疑者が否認したこともあって事件は膠着(こうちゃく)状態に陥った。
鈴木容疑者が昨年、県警に「話をしたい」と書いたはがきを送ったことで事態が動いた。二人に面識はなかったとみられ、任意の事情聴取に「女の人を刺したい衝動に駆られた」と殺害を認め、凶器は「自宅にあった包丁」などと話した。供述内容は揺れ、客観的な状況と食い違う点があったものの、県警は裏付け捜査を進め、逮捕に踏み切った。
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