指定暴力団神戸山口組の本部事務所（兵庫県淡路市）をめぐり、県の外郭団体が報復を恐れる住民に代わって使用禁止を求めた仮処分申請について、神戸地裁は３１日、平穏な生活を営む住民の権利が侵害されていると判断し、使用を禁じる決定を出した。こうした「代理訴訟」で指定暴力団の本部事務所の使用禁止が認められたのは全国初。
仮処分は１０月２日、県の外郭団体で公益財団法人「暴力団追放兵庫県民センター」が申し立てていた。地裁は今回の決定で、暴力団が事務所として運用することを禁止。組員らの会合や立ち入り、暴力団を示す「代紋」や表札の掲示も認めなかった。ただ、この事務所はすでに閉鎖されたとみられている。
神戸山口組は平成２７年８月末の山口組分裂後、同事務所に本部を置き、直系組長が集まる定例会を毎月開催してきた。
一方で今年９月には、対立状態にある暴力団組織「任侠山口組」トップの警護役が神戸山口組系組員らに射殺される事件も発生。地裁は決定で、こうした事情を考慮し、近隣住民らが「銃撃事件などに巻き込まれるかもしれない危険と不安の中で生活している」と認定した。
決定を受け、会見した住民側弁護団は「本部を使えなくすることは（暴力団の）弱体化につながる」と評価。今後、決定に反すれば制裁金を課すよう地裁に申請する方針という。
http://www.sankei.com/west/news/171031/wst1710310101-n1.html
0 件のコメント:
コメントを投稿