2018年3月24日土曜日

国有地売却問題 文書改ざん 「どちらがウソ?」 野党、昭恵氏喚問へ攻勢 籠池被告と接見

籠池泰典被告との接見を終えて、取材に応じる共産党の宮本岳志衆院議員(中央右)と希望の党の今井雅人衆院議員(同左)=大阪市都島区の大阪拘置所で2018年3月23日午後5時10分、小関勉撮影
安倍昭恵氏=和田大典撮影
籠池泰典被告=池田一生撮影

 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざん問題で、学園の籠池泰典前理事長、詐欺罪などで起訴=と野党議員が接見したことを受け、野党側は「安倍昭恵氏か籠池氏のどちらかがウソを言っていることになる」(共産党の小池晃書記局長)として、政府・与党へ昭恵氏の証人喚問要求を一層強める構えだ。

 23日は立憲民主、希望、共産3党の議員が接見。籠池被告は、安倍晋三首相の妻昭恵氏の発言を紹介したとされる自らの発言について「間違いない」と説明した。

 籠池被告の再度の証言に対し、立憲・福山哲郎幹事長は記者会見で「去年の喚問で証言した内容や、改ざん前の文書に書いてあることとほとんど変わらない」と指摘。野党は「籠池氏が事実を語っているかは分からない」(福山氏)と留保するが、少なくとも国有地売却を巡る交渉の際、籠池被告の発言を財務省が正しく文書に記録していた可能性が高い、とみている。

 来週は27日の佐川宣寿前国税庁長官の喚問に加え、26日には安倍首相が出席する参院予算委員会の開催も決まった。野党は接見を踏まえ、「妻に確認したところ(前に進めてくださいとは)言っていない」などと主張する首相との食い違いを追及する方針だ。さらに希望の党の玉木雄一郎代表は取材に「籠池氏が言っていることが本当なら、昭恵夫人は一連の取引に深く関わっていたことになる」と語り、昭恵氏の喚問が不可欠だとの認識を示した。

 野党は、週明け以降の国会審議で「佐川氏の喚問だけでは真相解明にはつながらない」と世論に印象づけ、政権を追い込みたい考えだ。【樋口淳也、光田宗義】

籠池被告の発言に 与党「信頼できず」

 政府・自民党からは籠池被告の接見に関し「何が明らかになるのか、極めて疑問」(自民・柴山昌彦筆頭副幹事長)との声が相次いだ。政権は「籠池氏はころころ言うことを変える人物だ」と信ぴょう性を否定することで、政府側の主張を補強しようと狙う。閣僚経験者の一人は、「接見は野党のパフォーマンス」と冷ややかな表情を浮かべた。

 自民党は23日、改ざん問題の調査プロジェクトチームの第2回会合を開催。座長の柴山氏は、籠池被告が詐欺事件の被告だと記者団に強調する一方で、佐川氏の喚問では「なるべく真相究明につながる質疑をすべきだ」と歯切れが悪かった。政府・自民は佐川氏の喚問で問題に「一区切り」をつけ、責任論が首相や昭恵氏らに及ぶのを防ごうと懸命だが、世論の批判が収まる見通しは乏しい。公明党の山口那津男代表は23日の党会合で「国会が実態解明に挑み、それを成し遂げたと言えるような議論を展開したい」と強調してみせた。【村尾哲】

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https://mainichi.jp/articles/20180324/ddm/002/040/113000c

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