全国の公立高校で、妊娠や出産を理由に学校からの勧めで自主退学した生徒が2015~16年度に32人いたことが30日、文部科学省が実施した初の実態調査で分かった。うち18人は通学継続や一時的な休学などを求めていた。
希望に反して退学せざるを得なかった可能性もあり、文科省は学業継続の意思などがある場合は安易に退学勧告などをしないよう、配慮を求める通知を出した。
15年に京都市の高校が妊娠中の生徒に体育の実技を求めた事案があったことなどから、こうした生徒への配慮を求める声が強まり、文科省が都道府県教育委員会を通じて調査した。2年間で学校側が妊娠を把握した生徒は全日制1006人、定時制1092人の計2098人で、674人は自主退学していた。
674人のうち学校が退学を勧めていたのは全日制21人、定時制11人の計32人。妊娠後も通学などを希望していた生徒が全日制で12人、定時制で6人含まれる。
学校が退学を勧めた理由としては「母体の状況や育児を行う上での家庭状況から、学業の継続が難しい」とされたのが18人で最も多く、「学校の支援体制が不十分」8人、「他の生徒への影響が大きい」5人などだった。
妊娠を理由として学校が生徒を退学の懲戒処分としたケースはなかった。妊娠だけでなく、生徒の普段の生活態度などを総合的に判断して停学処分とした事例が1件あった。生徒の懲戒処分などは校長の判断で実施される。〔共同〕
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28808200Q8A330C1CR8000/
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