若狭氏によると、それは森ゆうこ参議院議員(自由党)の「今井秘書官と森友問題で話をしたことは全くないか」という質問に対する答弁だという。
「佐川氏は聞かれたことに直接答えないで、他のことを一般論としてまず話し始めた。この、一般化したりはぐらかしたりすることを"ウソ反応"と言う。私は検事として嘘の見抜き方を35年間研究しているから、どういう時にこの"ウソ反応"がでるか手に取るようにわかる。本当に話したことがないのなら"ありません"と答えればいいものを、"官邸の秘書官との調整は課長クラスがしていた"と、質問に対して全然関係ない答えをした」。
さらに佐川氏は、森氏が続けて質問した「今井秘書官と森友問題で話をしたことはないのか」との質問にも「私の国会答弁に関して今井秘書官と話し合ったことはございません」と回答した。
この点についても若狭氏は「"国会答弁に関して"と限定した。森氏が"答弁に関してとは聞いていない。森友問題について今井秘書官と話をしたことはないのか"と聞き返して初めて、"今井秘書官と話をしたことはない"と答えた。これ以上ごまかせばさらに紛糾してしまう状況で苦し紛れにこういうことを言うのは、嘘の展開の象徴的な例。苦し紛れに言ったように感じた。特捜部も"尻尾はここだ"と思ったはずだ」と指摘。「もし衆議院議員をやっていたら、午前のこの森さんの質疑を聞いて、午後はこの点に焦点を絞って聞いたと思う。最後に今井秘書官に会ったのはいつか、最後に話したのはいつかと、細かく聞いていく」。
「(私が検事なら)携帯電話会社に交信記録を取り寄せる。そうすると、もしも佐川氏と今井秘書官が電話で交信していたとすると、"一切話したことはない"という証言が嘘、偽証だということが証拠として明らかになる」との見方を示した。
大阪地検特捜部は3月27日の証人喚問以降、佐川氏本人から任意で事情をきくことを検討しているとされる。国有地の森友学園への売却価格の設定に不正がなかったか、公文書の書き換えを指示しなかったかなど、詳しい経緯を確かめるものとみられる。もし、証人喚問で佐川氏が嘘をついていた疑いが濃厚になった場合、検察はどのようにそれを立証するのか。若狭氏は「携帯電話会社から交信記録を取り寄せ、問題の時期に交信しているかを調べれば一発でわかる。しかもそれが5分、10分、あるいはもっと長く交信しているということになれば、"一切話したことはない"という点を突くことができる。会話の内容についても、両者を同時に呼び出して通話記録を見せ、何を会話したかと突いて行けば、話の矛盾から偽証が明らかになってくる」と話し、検察としても、刑事事件の責任追及ができるきっかけをつかんだ可能性があると示唆した。
■元キャリア官僚「予算委員会では前向きな議論を」
佐川氏が今後、訴追される場合、問われる可能性のある罪状は、公文書変造罪 (懲役1〜10年)、公用文書毀棄罪(懲役3か月〜7年)、偽計業務妨害(懲役3年以下)が挙げられるという。
「公文書変造罪に問えるのは、改ざんの場合。今、財務省や政府は"書き換え"という言葉を使っており、単なる書き換えであれば罪にならない可能性も出てくる。場合によっては佐川氏が罪に問われない可能性が出てくる。佐川氏も証人喚問で"改ざんと言われればそれは重く受け止める"という答え方をした。とにかく政治家からの指示はないと言ってもらい、佐川氏本人も罪に問われない方向にするため、法律家のアドバイスも受けているようだ」。
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