米国のオバマ前大統領が25日、都内で開かれたイベントに出席し、核・ミサイル開発を進める北朝鮮について「本当の脅威だ」と指摘した。米国が日韓などの同盟国と連携し、北朝鮮を国際的に孤立させるよう圧力をかける重要性について強調した。
オバマ氏は、東京都新宿区で開かれた「第4回世界オピニオン・リーダーズ・サミット オバマ前大統領との対話」(NPO法人世界開発協力機構主催)にゲストとして出席。ブレンダン・スキャネル元駐日アイルランド大使との対談で、北朝鮮情勢や自身の広島訪問などについて語った。
オバマ氏は、米国の対北政策について「私たちの見方はいつも変わっていない。できることならば、外交で平和的に解決したい」と指摘。日韓などと連携した上で「中国の習近平国家主席と会談し、一緒にプレッシャーをかければ、効果的に北朝鮮の政策を変えられる」と話した。一方で、「北朝鮮は最終的に他国を攻撃するかもしれず、そうなればわれわれは自らと同盟国を守らなければならない」とも指摘した。
また、オバマ氏は後任のトランプ大統領の評価について具体的な言及を避けた上で、自身の任期を振り返り、「(意思決定のプロセスで)あえて反対意見も聞いていた」と振り返った。「(大統領には)異論を唱えてくれる人が必要」と話した。トランプ氏は、政策面の考え方や性格が合わなかったとされるティラーソン国務長官やマクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の解任を発表するなど、「嫌いな部下の排除」や「忠臣登用」の傾向が指摘されている。
2016年5月に現職の米大統領として初めて被爆地・広島を訪問したことについて、「被爆者の方にあいさつをすることができた。非常に力強い影響を受ける瞬間だった」などと振り返った。
また、任期終了後の自身の生活にも触れ、「エアフォースワン(大統領専用機)に乗れないのは寂しい。あれ、すごい良い飛行機なんです」などと打ち明けて聴衆の笑いを誘った。
オバマ氏の来日は、昨年1月の大統領退任後初めて。(板東和正)
http://www.sankei.com/world/news/180325/wor1803250013-n1.html
0 件のコメント:
コメントを投稿