ガイドと言っても、私の場合、立ちんぼスポットからボッタクリ客引き、心霊ビルまで、町の“怪しい”スポットを紹介するのがメインです。
◆大人のオモチャが抜けなくなった患者が……
そんな私が通う歌舞伎町のバーに、一枚のレントゲン写真が飾ってあります。店主の男性が自慰目的で大きな“オモチャ”を肛門に突っ込み、奥に入りすぎて取り出せなくなった結果、町内の病院で入院手術に至ったときのモノです。
飾る店主の心理はよくわかりませんが、私はこれを見るたび、下品な好奇心をくすぐられます。歌舞伎町の病院には、このように滑稽なエピソードが転がっているんじゃないかと。
今回、私が現場の看護師に話を聞いてみることにしたのは、そういう興味からです。
◆歌舞伎町某病院看護師インタビュー
どうも。匿名で失礼します。うちの病院がどこかも伏せさせてもらいますが、何となく察しがつくかもしれません。私はそこの病棟で働いている看護師です。
おしりへの異物挿入ですか? そういうのを対応したことはありませんが、確かに滑稽な出来事はたまに起こりますね。
例えば、うちの病院、歌舞伎町にあるだけに急性アルコール中毒が多いんですが、何年か前にこんなことがあったんです。
ハロウィンの夜、血まみれ風ナースコスプレの女の子たちが、次から次へと急アルで運ばれてきちゃって、病棟がさながらバイオハザードみたいな状況に。その光景にびっくりした高齢の入院患者さんがひっくり返っちゃったりもするし、私たち本物のナースはもう大慌てでしたよ。
だからこれは余談なんですが、言わせて下さい。みなさん、歌舞伎町で飲むときは気をつけてくださいね。運ばれて来ないでくださいね。うちの病院は、急アル患者に対して外来処置ではなく、入院扱い(患者負担:約5万円)で対応しますから、お金ももったいないですよ。
◆「ヤクザは来ないけど……」
ところで、皆さんの一番の関心は、たぶんこういうことなんじゃないでしょうか?
「病棟のベッドって、やっぱりヤクザだらけなの?」
答えはノーです。うちの病院は入院時、患者さんに反社会勢力ではないという旨の誓約書を書いてもらいます。だから一応、ヤクザはいないことになっていますんで……。
けど一度、そっち系の騒動を経験したことがあります。あるとき、誓約書には引っかからない、でも微妙な立場の方が入院することになったんです。付き添いの男性の様子から察するに、その女性、ヤクザの愛人さんっぽかったんですね。
すぐに病棟スタッフでミーティングしました。
「受け入れたら、絶対に毎日、ヤクザがお見舞いに来るって。他の患者さんへの配慮が必要だと思う。愛人さんには個室の病室へ入ってもらったほうがいいですよ」
対して、こんな意見が。
「いやいや、個室にしたら周囲に気をつかわなくていいから、ヤクザが余計にいっぱいお見舞いに来ちゃうって。ここはあえて、愛人さんには大部屋へ入ってもらおう」
結局、このお見舞い問題、後者の『大部屋作戦』で乗り切ることにしたんですが、成功したとは言い難かったです。いざ入院が始まると、コワそうな男性がしょっちゅうお見舞いに来てましたし。病棟のスタッフ全員、苦笑いでした。
ただ、これは看護師の先輩から聞いた話なんですが、過去にはもっとヤバイ、とてもじゃないけど笑ってなんていられないお見舞い問題が起こったことあったようです。
何と、クスリの売人みたいな男性が入院し、その方の“顧客”と思われる人たちがお見舞いに扮してモノを買いに来ていたとか。さすがに売人さんには退院してもらったようです。
この話を聞いたときは、さすがに私もちょっと転職を考えました。歌舞伎町の病院で働く限り、おかしげな患者への悩みは続くわけですから……。
※ ※ ※
いやー、歌舞伎町の病院ならではのエピソードですね。特定は避けますが、その病院に入院したら、こんな珍事に遭遇できるかもしれません。
【仙頭正教】
歌舞伎町ガイド人。立ちんぼスポットからボッタクリ客引き、心霊ビルまで、町の“怪しい”に精通。月2回、カブキの裏スポットを案内する『歌舞伎町観察ツアー』を開催中。ツイッター(@sento1025)※月刊『裏モノJAPAN』編集部・所属
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