2017年11月22日水曜日

「チームで解決」日本の15歳2位 学習到達度調査

 経済協力開発機構(OECD)は二十一日、世界の十五歳を対象に二〇一五年に実施した「学習到達度調査(PISA)」の中で、複数人のチームで問題解決に効果的に取り組むための能力を測定した「協同問題解決能力調査」の結果を発表した。参加した五十二カ国・地域のうち日本はシンガポールに次ぐ二位。上位四位までをアジアが占めた。日本はOECD加盟国(三十二カ国)ではトップだった。

 チーム内の関係性を維持しながら一つの目標に取り組む姿勢などが問われた。結果を分析した国立教育政策研究所の担当者は「日本人の特性も好スコアに影響したのではないか」と述べており、「和」を重視する国民性が得点に影響したとも言えそうだ。

 一五年のPISAには日本から高校一年の約六千六百人が参加し、うち約二千人が今回の調査を受けた。

 スコアについてOECDは加盟国平均が五百点になるよう設定。首位のシンガポールは五百六十一点で、日本は五百五十二点だった。三位は香港の五百四十一点で、韓国五百三十八点、カナダとエストニアが各五百三十五点と続いた。

 点数分布を見ると、四百四十点未満の成績下位層の割合は日本が10%で、参加した国・地域で最も小さかった。日本の男女別では、女子が五百六十五点、男子が五百三十九点。参加した全ての国・地域で女子のスコアが男子を上回った。

 調査はコンピューターで架空の人物とやりとりする中で、効率良く問題解決に向かうためにふさわしい会話を選ぶなどの形式。実在の人物とのやりとりではなく、OECDが「解決に向けて効率的」とみなした会話のみが正答となる。文部科学省は「実在の人物と円滑にコミュニケーションしながら共同作業するスキルを直接測るものではない」とする留意点も示した。

 他者との関わりについての意識とスコアとの関係を分析したところ、「人の話をよく聞くか」「異なる意見について考えるのは楽しいか」などの質問に肯定的な回答をした生徒の方が、スコアが高い傾向が参加国全体で見られた。

 一二年のPISAで実施された個人の「問題解決能力」では、日本は三位だった。

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