文部科学省の大学設置・学校法人審議会の専門委員会は二日、政府の国家戦略特区制度を活用し、愛媛県今治市に獣医学部を新設するという学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の計画に改善が見られると評価する意見をまとめた。今後、設置審として新設の可否を最終判断するが、専門委の意見が覆される可能性は低く、来年四月の新設は認可される見通し。設置審は十日にも林芳正文科相に答申するとみられる。獣医学部の新設は一九六六年の北里大以来、五十二年ぶりとなる。
獣医学の専門家の観点から「お墨付き」が与えられた形だが、選考過程が「加計ありき」だったのではないかとの疑念は払拭(ふっしょく)できておらず、野党側は特別国会で安倍晋三首相の説明責任を厳しく追及する構えだ。
設置審は当初、八月末に新設の可否を答申する予定だったが、学生の実習計画が不十分で、学園が掲げるライフサイエンスの獣医師養成に課題があるなどとして判断を保留した。加計学園は九月に計画を見直した補正申請書を提出。専門委が改めて計画内容を審査し、二日の非公開の会合で意見をまとめた。
政府は今年一月、特区を活用する形で、加計学園が運営する岡山理科大の獣医学部を今治市に新設するという計画を認定。これに基づき加計学園は三月、獣医学部新設を認めるよう設置審に申請していた。
計画を巡っては「総理の意向」などと記載された記録文書が見つかり、選定の過程で官邸の関与が取り沙汰された。
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