2018年3月2日金曜日

安倍政権さらに火種=森友文書に新疑惑

参院予算委員会で自席へ戻る安倍晋三首相(右)。左は財務省の太田充理財局長=2日午後、国会内

 森友学園への国有地格安売却問題で2日、新たな疑惑が浮上し、安倍政権を揺るがせた。財務省が学園との契約に関する決裁文書を書き換えて国会に提出した疑いが報じられたためだ。裁量労働制拡大の今国会断念で打撃を受けた政権はさらに火種を抱えた形となり、事実なら苦境へ追い込まれることになる。

森友文書、書き換えか=財務省「6日までに調査報告」

 朝日新聞の2日付報道によれば、2015~16年に財務省近畿財務局が学園と土地取引をした際に作った文書と、問題の表面化後に国会議員に開示した文書の内容が一部異なり、当時の文書にある「特例的な内容となる」「価格提示を行う」などの文言が開示文書にはないとされる。財務省は学園との価格交渉を一貫して否定している。
 2日の参院予算委員会で共産党の書記局長は、財務省が文書を改ざんした可能性を指摘。副総理兼財務相は「捜査にどのような影響を与えるか予見しがたいため、差し控えさせていただく」などと明言しなかった。
 小池氏は納得せず、語気を強めて繰り返し追及したが、麻生氏や財務省幹部は「捜査中だから答えられない」の一点張り。小池氏は「語るに落ちたということだ。『改ざんしていない』と言わないということは、改ざんを認めている」と断じ、「当委員会が求めた資料が書き換えられた重大な問題だ」と厳しく非難した。
 首相は先月28日、厚生労働省の労働時間調査の不適切データ問題を受け、今国会の最重要法案と位置付ける「働き方改革」関連法案から裁量労働制拡大を削除すると表明。態勢立て直しを図ろうとしていた矢先の新疑惑に、与党内には「本当に書き換えたなら厳しい局面を迎える」(自民党幹部)と動揺が広がっている。
 自民党の閣僚経験者は「長期政権のひずみが一気に噴出した」と指摘し、首相が3選を目指す今秋の党総裁選や憲法改正の議論に影響するとの見方を示した。
 一方、野党側は、森友問題のさらなる追及に向けて有力な攻め手を欠いていた感もあっただけに勢いづいている。立憲民主、希望、民進など6野党は2日午後、合同で財務省からヒアリングを実施。立憲の国対委員長は「内閣総辞職につながる大きな問題だ」と強調した。
 首相を裁量労働制撤回に追い込んだ野党6党は、森友問題でも共闘態勢を築きつつある。政府が働き方法案に盛り込む方針の高度プロフェッショナル制度の問題点も引き続き取り上げ、連携して政権を追い込む構えだ。(2018/03/02-20:48)

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