2018年3月1日木曜日

死刑求刑 被告弁護側は無罪主張

 川崎市幸区の有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で2014年に入所者3人が転落死した事件で、3件の殺人罪に問われた元施設職員、今井隼人被告(25)の裁判員裁判の論告公判が1日、横浜地裁(渡辺英敬裁判長)であり、検察側は「高齢な入所者の介護職員への信頼を利用した、冷酷、卑劣で残虐な連続殺人だ」と死刑を求刑した。被告弁護側は「疑わしいだけでは処罰できない」と無罪を主張して結審した。判決言い渡しは22日。

 今井被告は最終意見陳述で「取調官の圧力に負け、うその自白をしてしまった。今は取調官に強い怒りを覚えます」と語り、最後に「この法廷では真実しか話していない。どうか信じてください、私は何もやっていません」と訴えた。

 検察側は論告で、関係者の証言や被告人質問などで「被告が犯人である立証は十分」と主張。逮捕前の取り調べでの自白は詳細で信用性が高いとし、「被告は公判前には『人を転落させた記憶がない』などと不合理な主張をしていた」と非難した。その上で「反省もなく、極刑は免れない」と述べた。

 一方、弁護側は最終弁論で「事件性、犯人性を裏付ける客観的証拠は一切ない」と反論。録音・録画される前の取り調べで「追い詰められてうその自白をした」と訴え、「事故だったという疑問は残らないか」と裁判員らに問いかけた。

 2人の被害者遺族が代理人を通じて「被告は不自然な供述ばかりで真実を明らかにせず、謝罪もない」と死刑を求めた。【国本愛、村上尊一】

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https://mainichi.jp/articles/20180302/k00/00m/040/161000c

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