■「一番怖い」「頼り警察だけ」
大泉町でアジア系外国人が職務質問を振り切り警察官にかみつくなどして逃走した事件は1日、容疑者を特定し顔写真が報じられる中、現場周辺の小中学校では集団登下校や部活動を休止するなど、対応に追われた。新学期を迎えた学校もあり、大泉町の小学校では児童の集団登下校に保護者が付き添い、警察官が見守るなど、ものものしい雰囲気で、早期逮捕を望む声が高まった。
現行犯逮捕直前に逃走し公開手配されたのは、ベトナム国籍のグエン・バン・ハイ容疑者(31)。懸命な捜索が続くが、公開捜査にもかかわらず有力な情報は寄せられていない。
発生現場となった大泉町や近接する太田市と伊勢崎市では計84の公立小中学校で集団登下校を強化するなどして対応。朝、夕の部活動を中止する中学校も。
発生現場近くの大泉町立西小では同日午後、全学年を一斉下校とし、教職員に付き添われながら全校生徒約670人が集団下校した。校門前には児童を迎えに来た保護者が待ち構え、通学路には警察官や警察犬が配置、普段とはまるで違う雰囲気に包まれていた。
下校する小学2年の息子を迎えに来たペルー国籍のマリベル・バスケス・サラテさん(39)は、来日から20年経過しているが、「(日本で暮らしてきた中で)今が1番怖い」と強調、「会社を早退して迎えに来た。子供も怖がっているので、早く捕まえてほしい」と語気を強めた。
長島婦美さん(63)は朝、登校する小学2年の孫に「『何かあったらとにかく大きい声を出して』と言い聞かせた」と不安げに語った。「頼れるのは警察だけだ」と語るのは多賀谷雅之校長(54)。「週明けまで容疑者が捕まらなかったら、パトロール人員を増員するなどの対策も考えている」という。
大泉町の村山俊明町長は1日の会見で、「一つの事件がクローズアップされ、ベトナム人のイメージが悪くなるのは町として気の毒だ」と懸念を表明。同町に住むベトナム国籍の住民登録者は、214人(7月31日時点)で全体の2・86%。一方、同国籍の住民登録者が1542人(4月1日時点)と県内で最も多い伊勢崎市の五十嵐清隆市長は「共生事業などで日本人との交流を図っている。事件で市民に偏見が広がるなどの心配はしていない」と対照的な反応だった。
http://www.sankei.com/region/news/170902/rgn1709020028-n1.html
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