「希望の党」の小池百合子代表(東京都知事)と民進党の前原誠司代表は29日午前、東京都内で会談し、10月10日公示の衆院選に向け、候補者調整を急ぐ方針を確認した。しかし、民進党から希望の党への合流希望者について、小池氏は会談後、「全員を受け入れるということはさらさらない」と記者団に語り、同氏側で選別する方針を重ねて示した。民進党内からは反発が出ており、協議の着地点は見通せていない。
前原氏は会談で、民進党内で28日に合流方針が了承されたことを小池氏に説明。両氏は「政権交代を実現するためにはどうしたらいいか、大所高所から考えていこう」という見解で一致した。
民進党は28日、希望の党からの立候補を望む前職、元職、新人のリストを提出済み。今後は、民進党の玄葉光一郎総合選対本部長代行と希望の党の若狭勝前衆院議員で実務的に協議する。両党で衆院選の公約策定作業も加速させる。
小池氏は既に、憲法改正や安全保障政策を選定基準にする考えを示している。29日の会談後も「政策的に一致しなければいけない。選挙でワンボイス(同じ主張)で戦えるかどうかが重要だ」と記者団に語った。
自民、公明両党からの「野合」批判をかわすには、民進党の希望者全員を受け入れることはできないというのが小池氏の立場。「調整というか、絞り込みだ」とも述べ、主導権は希望の党側にあると強調した。
ただ、細野豪志元環境相が28日、BSフジの番組で「三権の長を経験した方はまずご遠慮いただく」と述べたことに関しては、小池氏は「それも一つの考え方だと思うが、総合的に考えたい」と記者団に語り、温度差をのぞかせた。
政権選択選挙に持ち込むには衆院の過半数(233議席)を狙える候補者を擁立する必要があり、小池氏は、ハードルを上げて民進党の反発を招くのは得策ではないと判断しているようだ。前原氏によると、会談では「三権の長」を除外するかどうかで突っ込んだやり取りはなかったという。
民進党側ではリベラル系を中心に「排除されるのではないか」という不安の声が出ている。
「三権の長」に該当する野田佳彦前首相は29日午前、千葉県船橋市で記者団に「もし首相経験者がだめというのなら、先に離党した人(細野氏)の股をくぐる気はまったくない」と述べ、細野氏の発言に不快感を示した。そのうえで、希望の党の公認が得られない場合は「1人の無所属候補として、自民党を倒すために頑張る」と無所属で立候補する考えを示した。【円谷美晶、真野敏幸、青木英一】
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20170929/k00/00e/010/222000c
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