民進党の前原誠司代表は27日、小池百合子東京都知事が率いる新党「希望の党」との事実上の合流を党内で提案した。(1)次期衆院選で民進党から公認候補を出さず、希望の公認候補として擁立する(2)選挙後15日後をメドに民進党所属の衆参両院議員が希望に移る――との内容。28日の衆院解散を控え、党内で意見集約を進め、小池氏の決断を促す。野党候補を一本化して与党に対抗する狙いだ。
前原氏は27日、党幹部らと相次ぎ会い、希望の党との選挙協力を巡って協議した。10月10日公示―22日投開票の衆院選では、民進党候補が希望の党の候補として戦うことを想定している。前原氏だけは無所属で出馬する。前原氏はかねて「選挙区で与野党が一対一になる構図が必要だ」との認識を示していた。28日の党両院議員総会で正式に提案する。
前原氏は26日夜に小池氏と合流を巡って協議。これに先立ち最大の支持団体、連合の神津里季生会長とも会談した。小沢一郎氏が率いる自由党との合流も検討中だ。民進党内には小池氏や小沢氏との連携に拒否感もある。同党所属の参院議員は27日夜に緊急で集まり、今後の対応を話し合う。
一方、希望の党は27日、都内のホテルで記者会見を開き、党の基本方針となる綱領を発表した。(1)寛容な改革保守政党を目指す(2)「しがらみ政治」からの脱却(3)平和主義のもと現実的な外交・安全保障政策を展開する――など6項目。小池氏は「寛容な改革の精神に燃えた保守、新しい政党だ」と述べ、非自民勢力の拡大に意欲を示した。
記者会見には現職の国会議員として衆院11人、参院3人の計14人が出席した。小池氏は「北朝鮮情勢がこういう中で政治空白があっていいはずがないが、首相が解散・総選挙をうたっている。改革のチャンスだ」と強調。「これからも多くの仲間が増えていく」との見通しを示した。
安倍晋三首相(自民党総裁)は28日、衆院を解散する。同日午後の衆院本会議で大島理森議長が解散詔書を読み上げ、衆院は解散される。政府はその後の臨時閣議で10月10日公示―22日投開票の衆院選日程を正式に決める。
自公両党の幹事長や政調会長は27日、都内で会い、衆院選で与党過半数をめざす方針を確認した。希望の党が全国規模で候補者を擁立するのを踏まえ、厳しい選挙戦になるとの認識で一致した。
首相は解散を表明した25日の記者会見で、2019年10月に予定する消費増税の使い道を広げ、幼児教育の無償化など新たな看板政策「人づくり革命」に充てる意向を表明。核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に圧力を強める方針の是非とあわせ衆院選の争点にする構えだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS27H59_X20C17A9MM8000/
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