衆院は28日召集の第194臨時国会冒頭で解散され、与野党は事実上の選挙戦に入る。政府は解散後の臨時閣議で、第48回衆院選を「10月10日公示-同22日投開票」と決定。安倍晋三首相の再登板から5年弱の政権継続の是非が最大の争点だ。前原誠司民進党代表は新党「希望の党」(代表・小池百合子東京都知事)への事実上の合流を推進。小池氏が出馬するとの見方も広がり、野党勢力結集の成否は選挙戦を左右する可能性がある。
首相は、2019年10月の消費税率10%への引き上げによる財源を教育無償化などに充てる「全世代型社会保障」を前面に掲げ、圧力重視の北朝鮮政策の意義も訴える。野党側は加計・森友問題をめぐる疑惑は解消されていないと主張。首相が約束した「丁寧な説明」を避ける形となる国会冒頭解散を「追及逃れ」と批判している。
前原氏は民進党の公認候補を擁立せず、立候補予定者をできるだけ希望の党から出馬させたい考えだ。ただ、小池氏は憲法改正や安全保障政策の一致を条件に選別する方針。一方、小池氏が自らの発信力を最大限生かすために、衆院選に出馬するとの見方が与野党を超えて広がり、当面の焦点となっている。
政府は午前の臨時閣議で、憲法7条に基づく解散詔書を決定。正午からの衆院本会議で大島理森議長が詔書を読み上げ、解散される見通し。民進、共産両党は本会議欠席の方針で、自由、社民両党も同調する構えだ。衆院事務局によると、記録が残っている1955年以降では、解散詔書朗読の本会議で会派単位の欠席が出るのは初めて。衆院選は14年12月以来、約2年10カ月ぶり。
野党側が要求した首相の所信表明演説は行われず、弾道ミサイル発射などを繰り返す北朝鮮への非難決議採択も見送られる。解散に先立ち、参院は北朝鮮情勢や災害など不測の事態に備え、閉会中審査の手続きを取る。
衆院選は「1票の格差」是正で、定数は小選挙区で6減の289、比例代表で4減の176となり、戦後最少の計465で争われる。自民、公明両党の解散前勢力は320議席(会派離脱中の議長含む)。過半数は233で、首相は先に「与党で過半数を取れなければ辞任する」と明言した。与党で過半数を維持しても、大幅に減らせば政権運営への影響は避けられないとみられる。(2017/09/28-10:48) 関連ニュース
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