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いまの政治状況を見ていて、釈迦の垂らした糸に大勢が群がる芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を思い出した。物語の結末のようにならないといいが。
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それにしても、前原誠司民進党代表(55)は大きな仕事をした。代表に就いたのが9月1日、10月を待たずに事実上「解党」してみせた。何度も書いたが、民進党は左から右までが混在する「寄り合い所帯」。それが国民に信頼されぬ要因で、解党しか道はなかった。
衆院は28日、解散した。事実上、「10月10日公示、22日投開票」の選挙戦に突入している。
野党第一党たる民進党は同日の両院議員総会で、前原代表が提案した新党「希望の党」(代表・小池百合子東京都知事、65)への合流を、あっさり満場一致で決めた。
しかし、「合流」に際し、小池氏は民進党前議員から個別に申請を受け、安保法容認を公認条件にすると“踏み絵”を課した。
当たり前である。
「安保関連法反対」を声高に叫んできた民進党、そして所属議員諸氏。当選するために「覚えてない」とは言わせない。選別された諸氏の顔触れが実に楽しみだ。
小池氏と前原氏は29日午前に会談し、候補者調整と政権公約作りを急ぐことで一致した。民進は、すでに公認申請する前職らのリストを提出しているが、小池氏は、記者団に「全員を受け入れる考えはさらさらない」と言い切った。
民進党の合流に関し、細野豪志元環境相(46)は「三権の長を経験した方々はご遠慮いただく」と述べた。これに対し、野田佳彦前首相(60)は29日、「小池さんと前原さんが決めることだ。先に離党していった人の股をくぐる気は全くない」と意地を見せたが、対照的に菅直人元首相(70)は記者団の質問には終始無言を貫き、今後の方針を明言しなかったそうだ。諦めが悪いのがこの人らしい。
希望から衆院選に出馬する意向の中山成彬元文部科学相(74)は自身のツイッターに民進党合流について「私達の小池新党合流から始まった今回の騒ぎに前原代表は右往左往。言うだけ番長の面目躍如」とこきおろした。その上で「辻元(清美)氏(57)等と一緒なんて冗談じゃない」と名指しした。
小池氏は29日にも自らの衆院選出馬について、「出馬しない。何度も言っているじゃないですか」と改めて否定したが、菅義偉官房長官(68)の見立てはこうだ。
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