神戸市議会自民党市議団の橋本健市議(37)が政務活動費で作った市政報告が架空発注だったとされる疑惑で、橋本市議が関係者に辞意を伝えたことが28日、分かった。29日にも辞表を提出する見通し。
自民関係者によると、橋本市議から28日未明、自民市議団側に「迷惑を掛け、申し訳ない。市議会開会までに自発的に辞職したい」などと連絡があった。市議会各会派の代表者による会議が28日午前に開かれ、自民側が橋本市議の意向を説明した。
疑惑を巡り、橋本市議は23日の記者会見で、市政報告の印刷代を政活費で支払ったとする領収書の宛先として記載された神戸市内の印刷業者に、2010~14年度の5年間で製作費計約720万円分を発注したと主張。この業者がデザインを担当し、印刷は兵庫県宍粟市にある知人の印刷業者を指定し、代金は橋本市議がそれぞれに払ったと説明した。
しかし、神戸の業者は25日、「実際には印刷せず領収書を発行した」とのコメントを発表し、代金も受け取っていないと反論。さらに、26日には橋本市議から取材への口裏合わせを指示されたと明らかにした。一方で、宍粟市の印刷業者は28日、毎日新聞の取材に「実際に市政報告を印刷して、橋本市議の事務所に納品したことに間違いない」と話した。
今回の疑惑について、市民オンブズマン兵庫の森池豊武代表は28日、詐欺の疑いがあるとして橋本市議らを9月初めに神戸地検に刑事告発する意向を明らかにした。神戸市議会では2015年、「自民党神戸」(解散)で政活費の不正流用が問題化し、3市議(いずれも辞職)が今年7月に詐欺罪で在宅起訴されており、森池代表は「またこういうことが起き、看過できない」と話した。
橋本市議は2007年に初当選し、3期目。橋本市議の政活費使用を巡っては、昨年6月の参院選公示直前に、自民党の比例代表で立候補した今井絵理子参院議員との対談を掲載した市政報告を配布していたことが判明し、自民党市議団が「税金で選挙応援をしたと取られかねない」として印刷費など約30万円を返還している。【栗田亨、井上元宏、目野創】
政治資金問題に詳しい上脇博之・神戸学院大教授(憲法学)の話
橋本氏は説明責任を果たすべきで、辞職で幕引きにしてはならない。神戸市議会の自民系会派では最近、政務活動費の不正で他に3市議が在宅起訴された。不正がはびこっていた可能性があり、議会は徹底した調査と改革に乗り出すべきだ。
https://mainichi.jp/articles/20170828/k00/00e/040/224000c
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