2017年8月29日火曜日

反捕鯨団体シー・シェパード、今年は妨害を中止

反捕鯨団体のシー・シェパードは28日、今年の捕鯨シーズンは日本の南極調査捕鯨船の妨害を行わないと発表した。日本の監視技術に太刀打ちできないのが中止の理由だという。

2005年から毎年、調査捕鯨船の妨害活動を行ってきた同団体の創設者ポール・ワトソン氏は発表文で、「日本は軍事監視技術を使い、衛星からリアルタイムでシー・シェパードの船の動きを見ている。もし彼らが我々の船の位置をいつでも知ることができれば、簡単に我々を避けることができる」と述べた。

ワトソン氏はさらに、オーストラリアやニュージーランド、米国などが日本と「グルになっている」と非難した。

オーストラリア放送協会(ABC)の取材に対しワトソン氏は、「我々には資金がなく、彼らのような技術もない。別の対抗策を見つけるしかない。必ずそうする」と語った。

ワトソン氏は、今後の戦術について詳細は明らかにしなかった。

国際捕鯨委員会は1985/86年のシーズンから捕鯨のモラトリアム(一時停止)で合意し、日本も同意しているものの、例外の一つとされた調査目的で捕鯨を実施しており、毎年秋から冬にかけて南極海に向けて船団が派遣され、翌年の春に日本に帰港している。

ワトソン氏は、2005年には1035頭だった日本の毎年の捕獲上限枠(クオータ)を現在の333頭まで引き下げたのは主にシー・シェパードの功績だと述べた。

「敵対的な政府」

オーストラリア政府は2014年に日本の捕鯨を一時的に禁止する国際司法裁判所(ICJ)の判決を勝ち取っている。

しかし、日本はその1年後、ICJが示した調査目的の捕鯨が許される条件を自国の船団が満たしているとして、捕鯨を再開した。

オーストラリアやニュージーランド、米国など各国は公式な立場で捕鯨に反対している。オーストラリアのジョシュ・フライデンバーグ環境相は今年1月、日本が例年通り捕鯨を行ったことに「深く失望した」と発言した。

しかし、ワトソン氏は米豪ニュージーランドの3カ国の政府を、日本の捕鯨に真に反対していない「敵対的な政府」だと非難している。

ワトソン氏は、「オーストラリアやニュージーランド、米国、それ以外の国がするべき仕事を我々がしているが、彼ら(各国政府)は日本に譲歩ばかりしている」と語った。

フライデンバーグ環境相のコメントを求めて事務所に連絡を取ったものの、現時点で返答は得られていない。

(英語記事 Sea Shepherd to stop intercepting Japanese whaling vessels

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http://www.bbc.com/japanese/41079365

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