2017年8月29日火曜日

全国学力テスト 算数、数学平均下回る

 ◇小6 国語A、B初めて共に上回る

 県教育委員会は28日、県内の公立学校の小学6年生と中学3年生を対象にした今年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。国語と算数・数学が対象で、8科目のうち平均正答率が全国平均を上回ったのは前年度より1科目少ない2科目のみ。とくに算数と数学は今年度も全国を大きく下回り、課題が鮮明になった。県教委は校長や教頭に結果を説明して、学校全体で指導方法の改善を促す。(中筋夏樹)

 テストは基礎的な知識を調べる「A」問題と、応用力を測る「B」問題がある。県内では小学校202校の5402人と、中学校99校の5681人が4月に受けた。県教委は平均正答率の数字について、文科省の公表方法の変更に伴い、これまでの小数点第1位までから、四捨五入した整数だけにとどめて発表したため、前年度との比較はできない。

 ■小学6年

 国語はA、Bとも全国平均をわずかに上回った。双方ともに全国平均を上回ったのは、全国学力テストが始まった2007年度以降初めて。領域別では「話すこと・聞くこと」は全国を上回った一方、Bの「読むこと」は2・9ポイント下回った。

 算数はA、Bとも全国平均を下回った。領域別ではAの「図形」以外、「量と測定」や「数量関係」などA、Bの全領域で全国平均以下だった。とくにBは、山梨、滋賀、長崎と並んで全国最下位で、全国平均を2ポイント以上、下回った。

 ■中学3年

 国語は、A、Bとも「話すこと・聞くこと」は全国平均より1ポイント以上高かった。Bで比喩を用いた表現について、考えを書く設問が出た「言語事項」は全国より4・1ポイント低かった。

 数学はA、Bの全8領域で全国平均を下回り、授業のあり方に課題が残った。とくにBの「関数」で全国平均を3・7ポイント下回った。

 ■対策

 全国平均を下回ったのは、算数Aが9年連続、Bが10年連続、数学A、Bとも6年連続だった。正答率が高い子どもの割合も全国平均より低かった。一方で「算数の勉強は好き」と回答した児童の割合は増えており、授業の進め方が課題になっている。

 県教委は引き続き、校長らへの説明会で、担当の教諭任せにせず、学校全体が組織的に学習指導を改善するよう求めていく。県教委も公開授業などを通じて授業の改善を支援していく。

 県教委は15年から算数授業改善プロジェクトチームを作り、指導を行ってきた。今年度の結果について、県教委教育指導課は「学習意欲は上がっているが、すぐに得点にはね返っていきにくい部分がある」と釈明。「地道に日々の改善を続けていきたい」と述べた。さらに「日常生活につながる問題を授業や宿題に取り入れるなどの工夫をしていかないといけない」との問題意識を挙げた。

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http://www.yomiuri.co.jp/local/shimane/news/20170828-OYTNT50395.html

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