独立行政法人「海技教育機構」(横浜市)は30日、船員を育成する「海技大学校」(兵庫県芦屋市)の19~21歳の男子学生3人が7月に相次いで自殺や自殺未遂、失踪をする事案があったと公表した。同機構によると、3人は同じ練習船で訓練中だった。いじめや体罰はこれまでに確認されていない。同機構は9月に第三者委員会を設置し詳しい原因を調べる。
同機構は海技大をはじめ船員を養成する学校を運営。3人は7月1日から練習船「青雲丸」に乗り込み、各地の港を回りながら船員資格取得に向けた訓練をしていた。
同機構が30日の記者会見で説明した内容によると、7月13日、19歳の学生が小豆島(香川県)の港に停泊中だった練習船から海に飛び込み、陸に流されたが海上保安庁に保護された。学生は聞き取りに「船に乗るのが嫌になった。船員の仕事が不安になった」と説明したという。
同28日には一時下船していた20歳の学生が名古屋市内で自殺していたことが警察からの連絡で判明した。遺書は見つかっていないが学生は実習の継続に悩んでおり、同22日に神戸港で下船し、実家に戻った。同24日には本人から実習を再開すると連絡があった。
さらに同30日、名古屋港で自由時間中に上陸した21歳の学生が「船の道に進みたくない」などと家族や他の実習生にメールを送り、行方が分からなくなった。現在も連絡はとれていないが今月、本人名義で携帯電話を契約したことが確認できた。
同機構が他の実習生や教員ら約190人に聞き取りをしたところ、いじめやパワーハラスメント、体罰は確認されていない。大藤高広理事は「保護者や実習生に心配をかけてしまい申し訳ない。事態を重く受け止め、原因の解明と再発防止に努める」と謝罪した。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG30H8M_Q7A830C1CC1000/
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