2018年8月21日火曜日

9月20日投開票 安倍首相と石破氏対決へ

自民党総裁選の投票方法

 安倍晋三首相(63)は、自民党総裁選に連続3選を目指して来週、立候補を表明する意向を固めた。石破茂元幹事長(61)との一騎打ちになる見通しだ。首相は5年8カ月の政権運営の「実績」を訴える構え。最大派閥の細田派など党内5派の支持を受け、国会議員票で首相の優位は動かないが、首相が「短期決戦」に持ち込んだ背景には、政権批判を強める石破氏への警戒感がにじむ。

 自民党総裁選管理委員会(野田毅委員長)は21日、総裁選の日程を9月7日告示、同20日投開票と決定した。2015年の前回総裁選は首相が無投票で再選されたため、選挙戦は12年以来、6年ぶりになる。

 首相支持の5派幹部は21日、党本部で会談し、首相の立候補表明を受けて選挙対策本部を設置する方針を確認した。二階俊博幹事長は29日から9月1日まで訪中する予定で、細田派幹部は「首相は幹事長の訪中までに表明する」と語った。

 夏休み中の首相は21日、山梨県鳴沢村のゴルフ場で、総裁選に向けた気力と体力を記者団から問われ「毎日毎日、高めたい」と答えた。5派がすでに動き出しているため、表明を焦る様子はない。菅義偉官房長官は同日、札幌市での講演で「私たちが今日まで取り組んできた結果を党員から判断してもらう機会になる」と述べ、首相の総裁3選に自信をみせた。

 石破氏は「正直で公正な政治」を掲げ、学校法人「森友学園」「加計学園」問題を念頭に、首相との政治姿勢の違いを総裁選の争点にしようとしている。自衛隊の存在明記に関する憲法改正を巡っても、首相の手法を繰り返し批判。党員に支持を広げて劣勢をはね返す狙いが鮮明だ。

 しかし、首相サイドも石破氏の戦術は織り込み済み。自民党幹部は21日、「『正直、公正』といえば泥仕合になる。骨太の政策論議をしなければいけない」と石破氏をけん制。首相周辺は「同じ党内で後ろから鉄砲で撃つようなことは許せない」と不快感をあらわにする。首相が西日本豪雨への対応を理由に立候補表明を遅らせたのは、早々と石破氏の土俵に乗るのを嫌った面もある。

 総裁選管理委では、委員から討論会の回数について「たくさんやりたい人(石破氏)もあまりやりたくない人(首相)もいる」と質問が出たが、27日の次回会合に結論を持ち越した。

 実際、首相側は討論会に慎重だ。石破氏は21日、「なぜ応じたくないのか言ってほしい。国民に向けて語る機会を奪うことになる」と記者団に語り、積極的な論戦を求めた。一方、事実上の自主投票で臨む竹下派では、竹下亘総務会長が21日の記者会見で石破氏への支持を表明した。

 総裁選は党所属国会議員票405票(衆参両院議長を除く)と党員票405票の計810票で争われる。党員票は全国集計し、各候補にドント式で配分する。党員投票は年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に、党費納入を「2年分以上」から「1年分以上」に緩和する。【村尾哲、松倉佑輔】

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https://mainichi.jp/articles/20180822/k00/00m/010/114000c

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