2018年8月5日日曜日

「帰ってきて」思い複雑=浸水の自宅、2階で生活-西日本豪雨で岡山・真備

避難所から浸水した自宅に戻った志水俊夫さん(左)、時子さん夫妻=4日夕、岡山県倉敷市

 西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町地区で、避難所から浸水した自宅に戻り、2階で暮らす住民がいる。豪雨から1カ月。長年付き合ってきた近所の人たちは、ばらばらになった。「みんなが帰ってきたらええのになあ」。複雑な思いを抱えながら自宅の片付けを続けている。

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 真備町岡田の志水時子さん(72)は豪雨の2、3日後、避難所から自宅に戻った。夜眠るときに付けていた呼吸器を避難所では使いづらく、「寝れん日もあった」とこぼす。今は浸水した1階を片付けながら、夫の俊夫さん(72)と2階で生活している。
 近所の人たちは、自宅の片付けを終えて子どもとの同居を選んだり、アパートを借りたりして戻ってこない。「わいわいしてたのに。朝、玄関先に水をまくのは私だけ」。志水さんは寂しさをにじませた。
 同所の会社員丸橋智さん(62)も妻と避難所を出て、自宅2階や町外に住む娘の家で暮らしている。「同じ町内なので残ってほしいとは思うが、こっちの思いと現実には大きな違いがある」と、それぞれの事情に理解を示す。
 「最初はみんな同じ状況で、片付け頑張りましょうという感じだったが、今は同じ近所でもいろいろ」。住宅の造りや加入していた保険、貯蓄、家族構成などによって、生活再建の仕方に違いが出ているという。
 丸橋さんは知り合いの業者に頼み、いち早く自宅の復旧作業を始めた。ボイラーが壊れたままでシャワーのお湯が出なかったり、浸水で1階に臭いがこもるようになったり。被災した自宅で暮らす苦労も経験したが、「早めに手を着けて、周りを手伝いたい」と力強く話した。(2018/08/05-15:39)

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