2017年12月2日土曜日

富士で化学工場爆発

◆1人死亡、14人重軽傷

黒煙を上げ延焼する荒川化学工業富士工場=1日午前10時42分、富士市厚原で、本社ヘリ「おおづる」から(嶋邦夫撮影)

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 一日午前八時二十五分ごろ、富士市厚原の化学工場「荒川化学工業」の北側四階建て生産棟で爆発が起き、同社の協力会社「佐藤組」(富士市)の男性作業員(64)が死亡、さらに佐藤組の男性三人が重傷を負った。ほかに荒川化学や運送会社の社員計十一人が軽傷。鉄骨造りの生産棟は約千九百五十平方メートルを全焼し、午後二時すぎに鎮火した。工場の半径百メートル以内の住民に避難指示が出されるなど周辺は一時、騒然とした。

 同社によると、爆発時、死亡した男性と、重傷の三人を含む協力会社の社員六人、荒川化学の社員六人の計十二人が生産棟で作業をしていた。生産棟では印刷用インキの原料となる樹脂を製造しており、四階で投入した原料が一階へ下りてくる過程で製品になる仕組みだったという。死亡した男性は製品となった樹脂の袋詰めを行う一階で発見され、重傷者も一階または二階から一階へ移動する途中で事故にあったとみられることから爆発は低層階で起きた可能性が高いという。

 ただ、この工程では発火の可能性のある機械や揮発性の溶剤などは使用しておらず、会社側も事故原因は現時点で不明としている。

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 同社は事故を受け、工場内の全プラントの操業を停止。社内に調査委員会を立ち上げ、警察や消防などと協力して原因究明を急ぐ。

 東京電力パワーグリッドによると、この事故の影響で同市厚原、弥生、伝法の三地区の五百世帯が停電したが、午前十時半ごろまでに全て復旧した。

 JR東海静岡広報室によると、身延線の富士−西富士宮駅間が上下線で午後一時すぎまで運転を見合わせ。静岡−甲府駅間の特急「ワイドビューふじかわ」も一部運休した。県道路保全課によると、工場に近い県道鷹岡富士停車場線、県道富士富士宮線がいずれも一部通行止めになった。

 現場は身延線入山瀬駅南東約九百メートルで工場や住宅などが並ぶ地域。

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