北海道松前町の無人島・松前小島で発電機などを盗んだとして、北朝鮮の木造船乗組員3人が逮捕された事件で、函館地検は28日、船長のカン・ミョンハク容疑者(45)を窃盗罪で函館地裁に起訴した。刑事共助条約などのない北朝鮮籍の容疑者が起訴されるのは異例で、小屋が荒らされるなど事件の悪質性から、刑事訴追が必要と判断したとみられる。
同事件では乗組員10人のうち、逮捕された3人のほか、6人が書類送検されたが、船長以外の8人について、地検は「船長の指示に従う従属的立場で、関与の程度は格段に低い」といずれも起訴猶予処分とした。札幌入国管理局は体調不良で入院していた残る1人を含め、カン被告を除く9人を強制送還する見通しだ。
起訴内容によると、カン被告は11月10~28日ごろ、松前小島の避難小屋など5カ所で、松前さくら漁協や小屋の管理人が所有・管理する発電機やテレビ、船外機など計30点(約77万円相当)を盗んだほか、松前小島灯台総合管制舎で函館海上保安部が管理するソーラーパネルなど9点(約490万円)を盗んだとしている。地検は認否を明らかにしていない。
外国の不審船を巡っては、2010年に沖縄・尖閣諸島海域で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突し、中国人船長が逮捕・送検される事件があったが、「今後の日中関係を考慮する」などの理由で釈放された。今回の起訴について、函館地検の望月健司次席検事は「当然のことながら、法と証拠に基づいて判断した」と説明した。【山田泰雄】
https://mainichi.jp/articles/20171229/k00/00m/040/085000c
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