熊本県警は27日、同県御船町の住宅で11月に寝たきり状態の高齢女性が顔に負った多数の重い切り傷が、野良猫によるものだったと断定したと明らかにした。県警は当初、殺人未遂容疑事件として捜査したが、家族が世話をしていた1匹の爪から、女性のものとみられる血液を検出した。

 県警によると11月6日夕、ベッドで就寝中の女性が顔から血を流しているのを、帰宅した夫が見つけた。県警は刃物による傷の可能性があるとみて調べたが、傷はほぼ全てが浅く、平行に付いていた。

 女性宅では野良猫2匹の面倒を見ており、鑑定すると、うち1匹に人間の血液が付着していた。室内に不審者が侵入したり、物色したりしたような形跡もなかった。女性の枕元から、猫のものとみられる毛も採取した。

 県警はこうした状況を総合して「猫が女性にじゃれて、ひっかき傷を負わせたと判断した」という。保健所は猫を一時預かっており、譲渡先を探している。(共同)