原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の地層処分に向けた「科学的特性マップ」が28日、経済産業省により公表された。県内は北毛を中心に過半が「好ましくないと推定」されたが、東毛地区など南部は「好ましい特性が確認できる可能性が高い」に分類された。同省はマップ公開で国民の関心を高める狙いがある。
マップは日本の地層を4つに分類。地図上に、(1)火山が近いことや断層があることなどから好ましくない地域(オレンジ色)(2)鉱物資源が存在することから好ましくない地域(灰色)(3)好ましい特性が確認できる可能性が高い地域(薄緑色)(4)海岸線に近く輸送面でも好ましい地域(濃い緑色)-の4種類を色分けして落とし込んでいる。
県内は(1)と(3)の2種類しかなく、北毛を中心にオレンジ色の(1)「好ましくない地域」が過半を占める=地図。渋川や沼田、草津、昭和、川場、嬬恋などは全て(1)だった。一方、前橋と高崎の南部や藤岡、神流、東毛の太田、桐生、館林などは薄緑色の(3)「好ましい特性が確認できる可能性が高い地域」に分類された。みなかみや中之条は、ほとんどがオレンジ色だが、一部は薄緑色に分けられるなど、自治体内で色分けが異なるところもある。
同省は「マップが処分場所を決めるものではなく、あくまで地域の自然現象などの客観的情報から科学的特性を示したもの」としている。大沢正明知事は同日、「これをもって国から自治体に処分地受け入れなど何らかの判断を求めるものではないと聞いている」と冷静にコメント。最終処分は「国が前面に立って取り組むことが閣議決定されており、引き続き国の責任で丁寧に対応してもらいたい」とした。
「核のごみ」の最終処分地選定をめぐっては平成27年5月に国が新たな基本方針を決定。全国各地で自治体向けに地層処分に関する説明会を実施、県内でも計3回実施された。マップ公開で今秋以降、同省などは全国で説明会を開催する予定だが、県環境政策課は今後について「説明会に参加するなど情報は集めていきたい」と言うにとどめた。
http://www.sankei.com/region/news/170729/rgn1707290019-n1.html
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