学校法人「森友学園」(大阪市淀川区)の補助金不正受給事件で、大阪地検特捜部は31日、学園が開校を準備していた小学校の校舎建設に対し支給される補助金をだまし取ったとして、前理事長の籠池泰典容疑者(64)と妻の諄子容疑者(60)を詐欺の疑いで逮捕した。
校舎の建設予定地となっていた国有地については、財務省近畿財務局が安値で払い下げた疑惑も浮上。特捜部は一連の不透明な経緯について解明を進めるとみられる。
安倍政権が国会などで野党の追及を受けた学園を巡る問題は、発覚から約半年を経て、当時の経営トップが刑事責任を追及される事態に発展した。
これまでの調べによると、籠池容疑者らは2015~16年度、大阪府豊中市で開校を計画していた小学校の校舎建設について、建設費を水増しするなどして補助金5600万円余を不正に得た疑い。特捜部は認否を明らかにしていないが、これまで籠池容疑者は「反省すべき点はあるが、故意ではない」と説明していた。
特捜部は今年6月19日から翌20日にかけ、森友学園や籠池容疑者宅など関係先を家宅捜索。7月27日には、同容疑者を取り調べるとともに諄子容疑者からも事情を聴いていた。
周辺関係者によると、補助金の不正受給について、籠池容疑者は27日の取り調べで黙秘するなどしたが、特捜部は押収資料を詳しく分析するなどした結果、同容疑者が不正行為を意図的に主導して進めたとの見方を強めた。
一方、学園は16年6月、小学校建設予定地として、豊中市の国有地8770平方メートルを評価額の14%に当たる1億3400万円で購入していた。特捜部は、不当な安値での払い下げで国に損害を与えたとする財務局職員に対する背任容疑での告発状を受理している。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASHC31H31_R30C17A7000000/
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