陸上自衛隊がないとされたイラク派遣部隊の日報の存在を把握しながら1年以上報告しなかった問題に関し、小野寺五典防衛相は5日の参院外交防衛委員会で、政治主導で徹底的に調査する方針を示した。小野寺氏は「しっかりうみを出し切る。シビリアンコントロール(文民統制)の中で真相を明らかにしていく」と述べ、大野敬太郎防衛政務官をトップとする調査チームで全容解明を図る考えを強調した。民進党の牧山弘恵氏への答弁。
日報は、昨年3月末に南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題に関する特別防衛監察の過程で発見されたが、当時の稲田朋美防衛相に報告されていなかった。小野寺氏は「大きな問題であり、大変遺憾だ」と述べた。隠蔽(いんぺい)に当たるかどうかについては、調査チームで厳密に調べた上で国会に報告すると約束した。
牧山氏が文民統制に疑問を呈したのに対し、小野寺氏は3月31日に日報が存在していると報告を受けた際、昨年2~3月の省内調査で見つけられなかったことを不審に思って再確認を指示し、4日の問題発覚につながったと説明。「シビリアンコントロールが機能していなければ、おそらくまだ公表されていなかった」と反論した。
民進党の小西洋之氏が辞任を要求したのに対し、小野寺氏は「(調査に)厳正に対応していきたい」と述べ、辞任を否定した。
統合幕僚監部が2月27日に把握してから防衛相への報告に約1カ月を要したことについて、小野寺氏は「昨年の反省を踏まえれば、このような重要な事案を認知したのであれば、直ちに一報あるべきだ」と指摘した。
防衛省の高橋憲一官房長は、昨年の段階では防衛相ら政務三役や同省内部部局(内局)、統幕に日報が存在していたとの報告はなかったと説明。統幕の鈴木敦夫総括官は報告時期について、自身へは今年3月5日、高橋憲一官房長には同29日、豊田硬事務次官や河野克俊統幕長には同30日だったと明らかにした。公明党の杉久武氏らへの答弁。(2018/04/05-16:40)

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