2018年4月1日日曜日

小松氏との対立鮮明 善光寺の貫主解任、天台宗側傘下の住職ら

「不服は裁判所に訴えていく」と語る小松氏=長野市の善光寺で

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 長野市にある善光寺の天台宗側「大勧進」トップ、小松玄澄貫主(84)が解任されたことを受け、傘下の住職や信徒総代が三十一日、寺で会見し「一丸となって信頼回復を願いたい」と強調した。一方、貫主にとどまる意向の小松氏は本紙の取材に「(女性職員へのセクハラや差別的な発言は)でっちあげ」と反論し、地位保全の仮処分を求めた大津地裁への申し立てに望みを託した。

 会見には、天台宗側傘下の二十五寺院の代表伊藤克之氏と春日英広信徒総代ら六人が出席。天台宗トップの天台座主の名前で解任辞令が出たと明らかにした。二カ月以内に後任が正式に決まるまで、瀧(たき)口宥誠(ゆうじょう)副住職(84)が特命住職となる。

 春日信徒総代は「信徒らに心配や迷惑をかけたことをおわび申し上げます」と陳謝。小松氏が「天台宗務庁に出した辞任願は自分の意思に反している」と主張しているのに対し「小松氏は自らの意思で署名、押印した辞任願を提出した。『本意でなかった』との理由で撤回が容認されるはずがない」と語った。

 伊藤氏は、小松氏が地位保全を求めて大津地裁に仮処分を申し立てたことに触れ「常軌を逸した行動には強い憤りを感じる。今後とも毅然(きぜん)とした対応をする」と述べた。

 小松氏はセクハラや差別的な発言があったとされる問題を受け、二〇一六年六月から本堂でのお勤めを自粛。昨年十二月に辞職願を出した後の今年一月、お勤めを復帰した。二月には辞職願の撤回を申し出たが、天台宗務庁は「理由がない」と撤回を認めず、解任手続きを進めていた。

 (高橋信)

◆「不服は裁判所で」 小松氏一問一答

 天台宗務庁から解任の辞令が出された小松氏は三十一日、本紙の取材に「辞令は仕方ない。不服は裁判所で訴えていく」と語った。主なやりとりは次の通り。

 −副住職時代から二十五年以上を過ごした大勧進のトップを解任された。

 ご本尊に十分尽くした。満足感はある。「私が不必要になったらお払い箱にしてください」と毎朝ご本尊に言ってきた。

 −辞令をどう受け止めるか。

 辞令は仕方ない。決定に不服を申し入れるのはどこの社会でもあること。

 −なぜ辞任願を出したのか。

 昨年十二月に天台宗務庁に呼ばれていくと、辞任願を渡された。杜多道雄(とだどうゆう)宗務総長らがいて、なぜか貫主としての実印があった。杜多総長から「辞める意思を見せれば、戻ってもいいと言われるだろう」と促され、名前だけ書いた。日付は書いていない。

 「預かっておく。(小松氏を)支持する市民の声があれば破り捨てる」とも言われた。裏切られた。

 −問題が大きくなったことについて。

 善光寺のイメージを下げることになり、誠に申し訳ない。一日も早く体質を改善して、職員や傘下の住職には名刹(めいさつ)としての自覚を持ってもらいたい。

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