2018年2月23日金曜日

冷静かつ平和的に解決を

 ◇「竹島の日」記念式典

 ◇山下政務官「立場、主張内外に発信」

 県が定めた「竹島の日」の22日、松江市の県民会館で開かれた「竹島の日」記念式典。13回目の今年は県民や国会議員ら447人が出席した。政府から派遣された山下雄平・内閣府政務官は「竹島問題の解決は我が国の主権に関わる大変重要な課題。国際法にのっとり、冷静かつ平和的に紛争を解決する考えだ」と述べた。シンポジウムには内閣官房の室長が政府関係者として初めて出席した。(中筋夏樹、佐藤祐理)

 ■返還に尽力を

 政府からは6年連続で内閣府政務官が派遣され、県の求める閣僚の出席はかなわなかった。山下政務官は、竹島の日の制定当時、山陰地方で新聞記者をしていたことを紹介。「今も不法占拠が続いていることにじくじたる思いだ。これまで以上に日本の立場や主張に対する正確な理解が浸透するよう内外に発信する」と述べた。

 食道がんの治療で欠席した溝口知事のあいさつを代読した藤原孝行副知事は、韓国が竹島(隠岐の島町)周辺海域で防衛訓練や海洋調査をしたことにふれ「竹島の占拠を既成事実化しようとする動きを強めている」と批判。政府に毅然きぜんとした姿勢で対応するよう求めた。

 ■感謝状

 式典では、竹島問題の調査研究に功績があった人への感謝状が贈られた。大野由喜代さん(86)(海士町)、木瀬一郎さん(79)(隠岐の島町)、松浦梅春さん(77)(同)の3人のうち、松浦さん以外は代理が出席した。

 木瀬さんは、竹島漁猟で使われた運搬船の関係者についての情報を提供し、運搬船の実態をつかむ貴重な証言を得るのにつながった。

 シンポには、内閣官房領土・主権対策企画調整室の高田潔室長が政府関係者として初めて登壇。外交交渉の後押しが任務の一つとして、「各省庁の先頭に立って引っ張る司令塔と考えている。島根の皆さんと緊密に連携したい」と語った。

 式典に出席した松江市東出雲町の野々内さとみさん(64)は「教育の力が大きいと実感した。国会議員には北方領土と同じように竹島問題への取り組みの速度を上げてほしい」と話していた。

 ◇隠岐諸島住民ら領土愛語る

 ◇国民交流会に150人

 記念式典に先立ち、「竹島問題を語る国民交流会」が22日午前、松江市の県民会館で開かれた。隠岐諸島の住民や「日本の領土を守るため行動する議員連盟」会長の新藤義孝衆院議員(自民党)ら国会議員7人を含む約150人が参加し、グループに分かれて意見を述べた。

 竹島領土権確立島根県議会議員連盟(原成充会長)が企画して、今年で3回目。隠岐島漁業協同組合連合会代表理事会長で、隠岐の島町津戸の浜田利長さん(79)=写真右=は「竹島を返せと訴えるだけでなく、韓国と隠岐の漁業者が話し合い、互いに漁業ができるようになってほしい」と語った。

 子どもの頃、竹島で捕獲されたニホンアシカ(メチ)を、西郷港付近で目撃した同町久見の池田京子さん(87)は「メチを見たことがあるのは、久見でも私を含めて数人しかいない。昔の竹島漁労の様子を伝えていきたい」と話した。

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http://www.yomiuri.co.jp/local/shimane/news/20180222-OYTNT50171.html

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