労働時間の調査データに「異常値」が次々に発覚するなか、調査をやり直すよう求めた野党の要求に与党は26日、「ゼロ回答」で応じた。反発を強める野党に対し、安倍晋三首相や加藤勝信厚生労働相は火消しに躍起だが、新年度予算案の衆院通過にも影響を及ぼす事態になった。
「間違いがぼろぼろと出てきている。データの信頼性が失われている」。26日の衆院予算委員会。立憲民主党の長妻昭代表代行は、厚生労働省が2013年度にまとめた「労働時間等総合実態調査」のデータに、新たな「異常値」があると指摘した。
加藤厚労相は異常値の存在を認め、一般労働者の1日の残業時間がゼロなのに、同じ人が1週間や1カ月でみると残業をしたことになっているケースが新たに233件判明した、と明らかにした。加藤氏は「常識的に考えてあり得ないと思う」と述べた。
この調査データをめぐってはすでに1日の労働時間が24時間を超えるケースや、同じ人の残業時間なのに1日の方が1週間や1カ月より長いといったケースが判明。異常値はこれで計365件に上る。
それでも首相官邸幹部は「法案を提出する方針は揺るがない」と断言する。安倍首相は今国会を「働き方改革国会」と銘打ち、政権は3月中に8法案をまとめて国会提出することを目指してきた。法案の提出を断念すれば政権は大きなダメージを受けかねない。
野党は森友学園への国有地売却問題に関連し、財務省の佐川宣寿・前理財局長(現国税庁長官)らの証人喚問も求めた。これについても与党は26日の回答で「引き続き現場で協議させたい」としたものの、政府・与党は「現職の担当者が答弁すべきだ」との立場を変える考えはない。
調査のやり直しは官邸幹部も一…
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